山日和さん、おはようございます。
まずは最初の見どころ、エメラルドグリーンの大きな釜に落ちる10m滝の登場だ。この釜の色は言葉で表現するのが難しい美し
さだ。ふ~さんも感嘆の声を上げる。
一見の価値のある釜と滝。素晴らしいの一言でした。
右の岩場を上がって落ち口上のナメを右岸に渡るところがポイントだ。下手をすればそのまま滝へ持っていかれてしまうので緊
張する場面である。今日は水量が少ないのでまだマシだが、スクラムを組んで慎重に渡った。
そこから始まるナメ天国もまったく素晴らしいのひと言だ。ナメと言っても微妙な凹凸があり、日にきらめく白い波頭がまるで鳴
門のうず潮のようだ。ふたりとも喜色満面である。
見所満載。全く飽きさせません。
次の見どころは左岸から次々と滝となって流れ込む支谷が連続する場所だ。支谷と言っても、滝の上に流れが見えるところ
1箇所のみ。他はすべて斜面から湧き出した水が滝となって本流の深く穿たれた淵に落ち込んでいる。なんとも珍しい地形である。
次から次へと現れる景勝奇景。不思議が連続しますね。
日帰り装備ならなんでもないトラロープ頼みのトラバースや巨岩上からの下降も、重荷を担いでいると難行苦行である。スリング
を使っての荷降しなどで時間を食う。
お疲れさまでした。これでようやく来世の安穏たる暮らしが約束されたでしょうか。
降り立ったのは三重の滝の2段目である千手滝の滝つぼである。40mはあるだろうか、美しい滝だ。足元からは岩を滑るように不
動滝が流れ落ちており、落ち口を覗き込むのは少々恐い。本流から見えていたのが最下段の不動滝なのだろう。
この上に最上段の馬頭滝があるらしいのだが、事前の研究不足で帰ってから知ることとなった。少し残念。
また次の課題ができてしまいましたね。
しかし我々はここからが本番である。「稜線へ抜ける」ことを第一義としている我々に取っては、孔雀岳まで詰め上
がってこその前鬼川。私自身は3度目だが、前2回は諸般の事情によりいずれも途中で撤退している。
今回が3度目の正直というわけだ。
言い得て妙ですね。是が非でも稜線へと抜けねば・・・!そして、三度目の正直も念願成就でした。
巨岩滝のルートを探ると右の凹角以外にはない。ほぼ垂直に近く、この重荷では後ろへひっくり返ってしまいそうだ。
ロープを持って空身で這い上がり、ザック2個を荷揚げしたがさすがに腕力だけで引き上げるのは重い。それも途中でザックが引
っ掛かってしまうので一気に引き上げることができず時間が掛かって腕がパンパンになってしまった。
ムキムキのいい男に磨かれましたか?
登り終えて右岸を見ると見覚えのある風景。これは12年前に洞吹さんとビバークしたサイトだ。
ふ~さんに「よく覚えてますねえ」と感心された。どうでもいいようなことほどよく覚えているものである。
絶好のキャンプサイトでした。
アメシ谷出合を少しアメシ谷へ入ったところにまずまずの場所を発見。整地が必要だが、何より自然林の中なのがいい。
水も近いしここに決定、ザックを取りに戻った。見上げると尾根の上に先が太く、根元が削れた岩峰が屹立している。
ふ~さんが早速「マライワキャリー」と命名。翌日も稜線から常にこの岩を探していた。
なんとまぁ、編隊的な命名ですね。ふ~さんって実は、山日和さんの次くらいにエロいんですね。
丹念に整地作業してテントを張る。冷え込みに備えて今日はツェルトではなくテントを持って来た。設営が終わると焚き火用の
マキ集めだ。これでもかというぐらいマキを集めて、まだ明るいうちから点火。ふ~さんが用意してくれた鍋の準備とメシ炊きに取
り掛かる。
まずは流れで冷やしたビールで乾杯。荷物が重いのでふたりでビール2本と日本酒1合、ワイン1本しかない。時間だけはたっ
ぷりある。もう少し頑張って担いで来るべきだったか。
最高のサイトでした。微量のアルコールでしたが、最高の酒宴でした。
宴たけなわの頃アクシデントが発生した。ずいぶん急に火の勢いが強くなったなあと話し合っていたが、そこで見たのはとんで
もない光景だった。乾かすために干していたスパッツと渓流ソックスが勢いよく火の手を上げていた。「うわー」と慌ててももう遅い。
哀れネオプレーン兄弟は火葬に処せられ、炭の粉に変わり果ててしまった。
それにしてもネオプレーンはよく燃えるなあと変に感心してしまう。普通のソックスは持って来ているし、水量も少なくなってそう厳
しいところもないようなので、まったく焦りはなかった。
沢登りを始めて長い間スパッツもネオプレーンソックスも無しでやってきた経験がこんなところで生きたようである。
まったく、見事な余興でした。燃えたのが、パンツやテントでなくてよかったというべきでしょう。
ふ~さんの鍋に舌鼓を打ち、少ない酒を分け合いながら飲めば時間が経つのは早い。気が付けばもう11時。
あれだけ集めたマキも底を突きかけるほど、延々6時間に及ぶ焚き火宴会だった。
今思えば夢のような時を過ごしました。
宴も終盤に差し掛かった頃に飛び出した70~80年代ロック・ポップス談義。こちらが投げる癖球も一球残らず打ち返してきたの
には驚いた。かなりマニアックな名前を持ち出しても即座に代表曲やバンドのメンバーの名前、挙句の果てにはアルバムジャケッ
トのデザインまで答えてしまうふ~さんはやはり普通ではない。これだけ知識を共有している人間にお目にかかったのは初めてで
ある。おかげで就寝が1時間延びてしまったが。
へへへ、おまかせあれ。次回は是非とも私が打ち返せない球を投げて下さい。(^o^)
ふ~さん