【 日 付 】 10月21日(日)
【 山 域 】 白山
【メンバー】単独
【 天 候 】 晴れ
【 ルート 】 市ノ瀬(5:43)-(8:09)チブリ小屋-(9:16)別山-(10:20)三ノ峰/避難小屋(11:07)- (12:16)六本桧-(13:03)杉峠-(14:15)登山口- (14:31)自転車で市ノ瀬
広大な白山域は、その標高に応じた紅葉がかなり長い間楽しめる。
今回はその山域をホームグラウンドとする私のとっておき?となるコース。
【コース上の別山は、この二日後に初冠雪を迎えたと思われます。今後の参考にされる場合は留意ください。】
前回このコースを歩いた時は予定外のお昼寝(^^ゞもあってか市ノ瀬到着が 17:30 、十一時間半の長丁場となってしまった。最後の車道歩きが一番辛かったので、今回は杉峠登山口へ自転車をデポしておく作戦。しかし車の腹をこすりそうな悪路で車のスピードが出せず、デポ作業を含めたトータル時間は歩きとさほど変わらずだ。
手間取ってしまった自転車デポ作業の為、市ノ瀬出発はヘッデンの要らない時刻となってしまった。
別当出会へと向う車の流れを横目にチブリ尾根への車道を歩き始める。橋を渡って登山道歩きとなるがやはりヘッデンの出番は無かった。
そしてチブリ尾根の登山口へ。入山者カウント用センサーの前ではいつも何度か往復してやろうかと考えてしまう。
早朝の日の出前の時間、薄暗い、巨人たちの棲む森。只でさえ神々しさと言うか畏敬の念をいつも感じる、静まり返った紅葉前のチブリの森はチト怖かった・・・通過時間が遅れてかえってよかったのかな?
登山道に覆いかぶさっている巨人たちの一人、いつもの大カツラへ「また来たよ」と挨拶をする。
暗い時間に出発したであろう単独者を追い越した直後、後方から二人パーティの話し声が近づいてくる。これでたまにあるクモの糸払いをお願いできるのかと思っていたら話し声はそれ以上近づいては来ない・・・ちぇっ、そーいうことか。
後ろからの話し声にプッシュされ自分のペースを守りきれなかったようだ。休憩予定の白山展望所へは一瞬時計を疑うような時間で着いてしまった。

- 展望所から望む白山主峰部の上には雲もなく、ななめ後方からの朝日を浴びていた。
この辺まで来ると回りのブナの色づきも美しい。写真を撮っていると後続のふたりは挨拶をして先へと進む。後方から感じていた弱くもプレッシャーが無くなってほっとする。
西側へと伸びるチブリ尾根。その登山道へ日が差し込んでくるのはもっと先の時間となる。
しかしブナからダケカンバ帯へと標高が上っていくと、周りの山の斜面にもさんさんと日が差しているのが樹間から覗える。
今日のメインと考えていたチブリ小屋下のダケカンバの黄葉は、狙ったとおりの最高のタイミングだ!♪
うひひ、一人ほくそ笑む。
先週の白山は中宮道最上部『お花松原』へと下降した。これまたナナカマドの紅葉がタイミングばっちりで、行ったことはないが『涸沢』にも匹敵すると思われるほど。しかしカメラを忘れる大失態!! 涙を呑んで頼りない記憶だけに仕舞っておくしかなかった。
そのリベンジが果たせる、そう考えて当然の状況だったのだが・・・・。
ダケカンバ帯が始まる頃にはすぐ頭上を日光が走り時折まぶしさに目を細めて歩く局面も有ったのに、日に照らされればすばらしい色づきとなろう黄葉を見ながら高度を上げていくと、だんだんと登山道まわりの雰囲気が暗くなっていく?
山々の見通しが良くなってくると、照らし出されていた黄葉斜面が黒っぽく分断されていく。太陽の方向が見えると、なんと雲が!
なんで?ついさっき本峰の上には雲なんて無かったのに・・・。
笹原急斜面のビューポイントへと到着した。周囲の山肌の色はほとんどが黄色から暗い色合いへと変化してしまった。
あきらめきれずにしばらくは粘ってみたが先の行程は長い、進むしかなかった。
チブリ小屋へと到着すると、なんだ?やはり白山本峰には全く雲が無いが、別山上空だけには雲がかかっている。日頃の行いなのかな~?
小屋には昨夜泊まったという単独者がいて、昨日は夕日に映えてとても綺麗だったと聞くと余計にくやしい・・・・。

- もっと光をー !!
小屋から上部の登山道は急斜面につけられたつづれ折りだ。南竜からのパーティと次々とすれ違う。
登れば登るほど空は雲に覆われていく。ガスで下のチブリ小屋も見えなくなり、樹林の背丈も低くなりる頃から風も出てきた。
急登をこなして御舎利山ピークへ着くと冷たい強い風。鞍部でフリースを着込み手袋もつける。
もちろん全く展望はない。このガスが無ければ白山のこちら側全部の山小屋が確認でき、アルプスも素晴らしいのだが。
別山へと来ると、このまま雨でも降ってくるのではないかと心配するほどだったが、上空のガスの隙間から一瞬青空が覗いてほっとする。
別山平へと下りかかると古風なウッドステッキのおじいさん(失礼!)が登ってきた。
御手洗池には薄氷。ここからの半身を雲に隠した別山の姿もなかなかいいが、白山側から見る植生豊かな別山と同じ山とは信じがたい気がする。
三ノ峰へと向う途中、別山も登っておこうという単独やパーティで十数人ほどとすれ違う。ニッコウキスゲの時期と並んでもっとも登山者の多い季節だろう。気がつくと風も弱まり、周りも明るくなってきた。雲を抜けたというより雲が取れてきたようだ、最低鞍部で振り返った別山にはだいぶ雲はなくなり、何人もの登山者のいた三ノ峰へ到着すると完全に晴れていた。あ~あ、逆周りにすればよかったのか、チェ~ッ。
予定よりペースも早くまだお昼にはだいぶ前だが、小屋前の広場でおにぎりを食べるとしよう。周りにもたくさんの登山者。
あれ、持ってきたはずの味噌汁が無い。仕方ないのでペットボトルのお茶だけをジェットボイルで沸かしなおしておにぎりをかじる。
やっぱりカップラーメン置いてこなきゃよかったな~。それでもスティックコーヒーで人心地がつく。
さて食べたら我が福井県の最高所へと向おうかということで、小屋から三ノ峰反対側のピークへと登りはじめる。
白山は、石川県/岐阜県/福井県にまたがる大山脈と言われているが、残念ながらピークは別山を含む白山主峰部はおろか三ノ峰でさえ福井県には含まれてはいない。福井県のピークとしては三ノ峰ピークから避難小屋反対側、以前は打波の頭と呼ばれていたピークが、今では越前三ノ峰という名前で看板が三角点の横に設置されている。

- 雲がちだが大展望!
看板には 越前三ノ峰 標高2095m
笹に覆われた道は踏み外しやすいが、きちんと道をたどれば小屋から三分、踏み外したところで五分で到着だ。
看板からは大展望。銚子ヶ峰や願教寺山など近場の山ははっきりとわかるが、期待したアルプスまではとても無理。
紅葉ラインも千五百以下まで下っているようだが、標高千m福井の誇る山岳観光スポットの刈込池周りの樹海は、まだ青々としている。
さて、下山だ。何人かを追い越しまだ登ってくる人もいた。
下るにつれ紅葉が見事になっていく。

- やはり日光の力が紅葉の魅力を最大限に引き出す。

- カメラストップばかりでなかなか進まない (^^ゞ
ようやく分岐の六本桧へとたどり着いた。
ネットでこの秋口に逆コースを歩いたという記録によると、ここから杉峠さらに今回自転車のデポしてある登山口まではかなりの藪漕ぎを強いられたらしい。そういえば前回歩いてから四年も経っている、相当道も荒れてしまったのだろう。
が、覚悟を決めていざ杉峠へと歩き出してみると意外としっかりした道だ。
そういえば刈り払いの跡が見て取れる。しかも葉っぱは枯れているが茎にはまだ青みも残っている。
らっきー♪♪ 紅葉シーズンを前に登山道整備が行われたばかりらしい。
おかげで二時間はかかるとみていたが、紅葉を楽しみながら一時間もかからずに杉峠へと到着。
反対の赤兎から来たというふたりが分岐の標識で休んでいた。ここまでの道は荒れていたらしい。
となると・・・またまたらっきー、整備は私の下山予定の方へと続いていた。
ここで午後一時。峠に向かっていた時にはあまりの早い時間に、赤兎経由の下山も頭をよぎったが荒れた道と聞いたらやっぱりや~めた。
下山するにつれ、ブナ林は少しずつ紅葉から青みを増して行く。
展望はないに等しい樹林帯歩きだが、途中に白山展望所・別山展望所として二箇所の刈り払われた場所があった。
そして我が愛車(自転車)の待つ登山口へと着いた。自転車にまたがりガタガタ道を車よりも早く下っていく。
三つ谷分岐には登山者の車なのだろうが何台かの駐車車両。驚いたことにその中にタクシーが二台いて、下山してくるお客さんを待っているのだという。へっ?ここから歩いても市ノ瀬まで三十分ちょいなのに、タクシー?ん~~・・・・・。
ガタガタ林道を下りきると、あとは市ノ瀬までの快適な舗装路を自転車で上るだけだ。
カーブを曲がると学生さんらしき数人が、見たこともない長めのローラーで遊んでいるように見えた。
これって何んなのと聞くと「くろかんすきー」だと言う・・・?
なんじゃそりゃと思ったまま彼らから離れたが、後から追ってくるローラー音でその正体がわかった。
足を使わず、両腕のストックだけの推進力で坂道をものともせずに自転車の私に迫ってくるのは、まさしくクロスカントリースキー!!
こちらも必死にペダルを漕いだが、結局ゴールの市ノ瀬までに三人にも抜かれてしまった。唖然、呆然・・・
ひーひーハーハー言いながら車に自転車を積み込んでいると、なんとか山岳会と言うおねーさんとおじさんが珍しげに話しかけてきた。
こんなコースで自転車をデポしてと説明すると、おねーさんが一言。「で、最後は赤兎を回ってきたのね?」
うわ~、そう来たか~。これでも十分ロングコースだと思ってたんだけどな~。
「いや、この時間(14:31)ではそりゃ無理ですわ」と答えるのが精一杯だった。
NHKでやってたアルプスレースをヤマケイでも載せていた。あんなホントの超人たちのレベルを見てしまうと、ど~も自分の感覚までが狂ってしまうようで怖くなってくる。