予定していたO氏との山行が月曜日に変更になったので、久しぶりに台高に出かけることにする。木梶林道に足を踏み入れるのは今回が初めてだ。
【 日 付 】2012年7月14日(土)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】くもりのち晴れ
【 ルート 】キワラ滝駐車地 7:55―8:50 地蔵谷出会い 9:00―10:50 赤ゾレ山 12:00―13:00 2段15m滝―13:45 林道 13:55―14:45 キワラ滝駐車地
国道166号線を高見トンネルの手前で左側わき道に入り、高見峠への分岐を右に見て木梶林道に入るとすぐにキワラ滝駐車地の車止めに着いた。ここに車を置き、歩き始める。しばらく歩いていると軽自動車が追い越していく。車止めを開けて入ってきたのだろうか。そういえば、かぎは掛かっていなかったな。

- キワラ滝
しばらく歩くとさっきの軽自動車が止まっていた。大きな三脚2個とでかザックが見える。どうもテン泊装備で写真を撮りに来たらしい。聞いてみるとやはりそうだった。んっ、テン泊装備で台高に出没する写真家?「一休」という文字が?マークとともに頭にちかちかし始める。聞いてみようか。こんなときにいつもの弱気虫が現れる。一休さんだとしても、「わしは靴クリームは知っているが、シュークリームなんぞ知らんわ!」と言われたらどうしよう。結局、2,3言葉を交わしただけでまた歩き始める。まあ、縁がある人だったら、また会うことになるだろう。その時に聞いてみればいい。

- 地蔵谷入口の滝
地蔵谷出会いで、沢装備装着。いきなり2,3mの滝。ちょっと見では直登できそうにないが。いきなりシャワークライミングは嬉しくないので、右側の巻き道を登る事にする。どうも草付きの滑りやすいところで、滑ったら沢まで一気に滑落しそう。沢に戻ろうと思うが、斜面が急で戻れない。ちょっと高く巻きすぎたみたい。無理すれば降りられないこともないだろうが。ここで、山日和さんの「高まき中の事故が一番多い」という言葉がよみがえる。そうだ、ここで無理をする理由は何もない。懸垂下降で沢に戻る事にする。20m1ピッチでぴったんこ沢に戻る事が出来た。この後は快適な沢歩きだ。

- 地蔵谷の斜滝
稜線歩きの自分が沢登りを始めてみると、ちょっとした視線の違いで山の見え方が全然違ってくるのに気づく。同じようなところを歩いていても、すごく新鮮に映るのだ。今までこんな風に山を見たことがあったろうか。山を楽しむためのいろいろな引き出しがあってもいいのではないだろうか。自分の身を守るためにもいろいろな歩き方を知っていた方がいい。
たとえば、道に迷ってこころならずも谷を降りる羽目になった場合、沢登りの心得がある場合とない場合で、生死を分けることもあるだろう。懸垂下降の技術にしても、私がたまたま1,2度クライミングに連れて行ってもらって、ロープワークの基礎を教えてもらっていたためにできているだけで、もしそんな経験がなければ懸垂下降ということ自体頭になかったかもしれない。
そんなことを考えながら歩いているうちに、いつの間にか三俣を通り過ぎ、縦走路近くまで来ていることに気づく。源頭部はブナとともに、ミズナラの巨木からなる森で、台高の素晴らしい雰囲気を醸し出してしている。ブナの森もいいが、ミズナラがあると森がより豊潤になるような気がする。このあたりは何度か歩いているはずなのだが、全く覚えていない。きっと何も考えずに通り過ぎてきたのだろう。

- 地蔵谷源頭部のミズナラ大木
縦走路を南に登るとすぐに赤ゾレ山の頂上に着く。見晴らしがいいのでここでお昼にする。土曜日なのに誰も歩いていない。きっと天気予報を見て敬遠したのだろう。台高や遠くにかすんで見える大峰北部の山々を眺めながらおにぎりをほおばり、小説を読む。素敵な時間だ。
赤ゾレ山を辞し、赤ゾレ池に向かう。池の近くに男女二人がいることに気づく。朝会った写真家の方だった。やっぱり縁があったようだ。聞いてみるとやはり一休さんと助手のHARUさんだった。私のつたないレポも読んでくださっていて、歩きながらもしかしたらあれはシュークリームではないかと話して下さっていたらしい。しばらくお話しをする。素敵な出会いと時間だった。
赤ぞれ池の鞍部を木原谷右俣へルンルン気分で降り始める。倒木が進路をふさいで、歩きはそれほどルンルンではなかった。しばらく降りると2段15mの滝に出る。ここは迷わずロープを出して、シャワーを浴びながら懸垂下降だ。このために今日はロープを持ってきたのだった。2ピッチで下まで降りる。下に降りて滝を眺める。上段は簡単に直登できそうだが、下段は登れそうにない。巻くしかないのだろうか。

- 木原谷右俣の2段15mの滝(下段)
滝の下流は倒木でとうせんぼされているので、右岸によじ登ると杣道に出た。しばらく杣道を歩くが、沢のナメがあまりに気持よさそうだったので、また沢に戻って歩きを楽しむ。しばらく遊んだ後林道に戻り、沢装備を解く。すぐそこが地蔵谷出会いだった。
林道をてくてくと戻り、帰路に着く。台高の素晴らしい森と沢歩きを楽しみ、素敵な出会いに恵まれた一日だった。ちなみにヒルは見かけなかった。