【日 付】 2012年6月30日(日曜)
【天 候】 晴れ時々曇り
【山 域】 両白山地
【メンバー】 F田氏、kitayama-walk
【コース】 唐谷林道入口-登山道入口(磨崖仏)-第一渡渉点-第二渡渉点-支尾根取付点(見落とし)-池ノ大沢湿原
-切窓-経ヶ岳(本峰)-北峰-本峰-切窓-中岳-杓子岳-保月山-登山口-(自転車)-唐谷林道入口
全国に経ヶ岳の名前が付く山は結構数があるだろう。私の住む京都にも滋賀県との県境に経ヶ岳(889m)がある。最も高い
経ヶ岳は長野県伊那にある二百名山の経ヶ岳(2296m)であろう。福井県には経ヶ岳が2つあり、そのうち標高の高い方の経
ヶ岳(1625.2m)に登ることにした。
この経ヶ岳は、白山から西の大野盆地に聳える山として、荒島岳と双璧をなす名峰とされており、県境の山を除くと、福井県
最高峰である(最も高いのは三ノ峰の少し南-避難小屋の南-にあるピーク・越前三ノ峰2095mである)。この山の特色のひ
とつは、山頂の南壁(旧火口壁)の下部にある、火山活動でできた火口原である池ノ大沢湿原である。もうひとつは、本峰(南
峰)と吊り尾根で結ばれた北峰が双耳峰を形成しており、北峰は白山展望の絶好地になっていることである。
実は、この経ヶ岳には2009/6/27に登ったことがある。このときは保月山コースを北峰までピストンした。今回は違うコースで
登ろうと検討してみた。法恩寺山から北峰に登り、南峰から保月山コースで下山するルートを考えたところ、ネットで調べてみ
ると、P1390と北峰の間が激ヤブになっているとのこと。そこで、今回はおとなしく、唐谷コースを登り、保月山コースで下ること
にした。

- 今回歩いたコース図
京都東IC-(名神)-米原JCT-(北陸道)-福井IC-R158-(広域基幹林道法恩寺線)-唐谷林道入口
広域基幹林道法恩寺線の表示板に従って舗装された林道に入り、唐谷川に沿って登っていく。かなり曲がりくねった道では
あるが、舗装がちゃんとされているので走行には問題はない。唐谷林道入口はヘアピンカーブのところにあるので、それらしい
箇所に軽トラが止まっていることを確認して、下山口の展望台に向けて車を進める。展望台には10台くらいの駐車地があり、
すでに1台駐まっている。展望台からは荒島岳が目の前に美しく聳えており、大野盆地の町並みもよく見渡すことができる。
すぐにもう1台やってきたので、登るコースを尋ねてみたところ、保月山コースをピストンするという。地元の人だったので、唐谷
コースのことを尋ねてみた。入口はさっき駐まっていた軽トラのところで、今はコースがかなり荒れているということであった。
そこで、展望台のところに自転車をデポして、ヘアピンカーブの手前にある林道入口まで引き返すことにした。
林道入口には作業者のものと思われる軽トラが1台あったので、その隣に車を駐めることにした。以前はここにゲートがあった
らしいが、今はなくなっている。最初はこの林道を歩くことになる。コンクリート舗装が古くなって壊れているが、歩くには支障は
ない。草の茂る林道を20分ほど進むと、左手にテープの印があり、ここから登山道に入ることになる。少し進むと、左手に荒い
露岩に刻まれた等身大くらいの磨崖仏が出迎えてくれた。このあたりから下草が刈られているのが目についた。刈られた草を
見ると、どうやら今朝刈られたようだ。この下草刈りの作業は山頂まで続いており、特に涸れ谷に至るまではコースがよくわか
り助かった。

- 露岩に彫られた磨崖仏
登山道は沢筋の右岸沿いにつけられていたが、やがて最初の渡渉点にやってきた。小さな沢なので問題なく渡渉できる。こ
の沢筋には灌木が生い茂っているので登山道がわかりにくいのであるが、今日は下草が刈ってあるので、迷うことはなかった。
やがて右俣と左俣を分ける尾根に取り付くと、見事なブナ林になってきた。なかなかいい雰囲気になってきたと思ったら、ブナ林
を抜けて、今度は左の谷側に下っていく。崩壊した下降点には固定ロープが設けてあった。やがて第二渡渉点を渡ると、今度は
谷が涸れてきて、ごろごろとした岩の中を登っていくことになる。振り返ると、後ろには荒島岳の姿も見えてくる。涸れ谷はかなり
荒れており、次第に険しく急峻になってきたのでおかしいと思い、GPSで確認したところ、支尾根への取付点を見落として通過し
てしまっていた。引き返そうかと思ったが、左手の支尾根に強引によじ登ることにした。急な傾斜と脆い地質のため、途中でずり
落ちてしまうことにあったが、草や木にしがみつきながら、支尾根に登りついた。登りついた縁から5mほどのところに登山道を発
見し、やれやれであるが、この登山道がまた急登になっていた。ヒイヒイ言いながらブナ林の中を登っていくと、やがて傾斜がなく
なり、唐谷川の源頭になっている鞍部に下ると、そこは湿地帯になっていた。ここが池ノ大沢湿原と呼ばれるところである。さらに
少し進むと、円形に草の刈られた平坦な広場に出てきた。まるで牧草を切り開いたようなところであり、ここから経ヶ岳の南壁が
威圧的に見える。小休止の後、灌木の中を進むと、ブナの原生林を思わせるような景色が広がってきた。素晴らしい雰囲気に足
が止まってしまうが、少し登るとそこが切窓のコルと呼ばれるところで、保月山コースとの合流点である。切窓からは急登を一気
に経ヶ岳まで登る。笹が切り開かれた登山道は急登であるが、次第に展望がよくなってくる。保月山コースの中岳や杓子岳、そ
して荒島岳の姿を何度も振り返りながら眺める。すると、前方から草刈機を持った三人衆が降りてきた。やはり今朝草刈りは行わ
れたのだ。ご苦労様の挨拶を交わして、間もなく山頂(南峰)に着いた。

- 火口原から経ヶ岳の旧火口壁を見上げる
南峰は、笹が切り開かれた広場になっていて、中央付近に経ヶ岳の標柱が立てられている。先客が一人いたが、南峰山頂から
は少し雲があったものの、白山と別山の姿があった。その手前には赤兎山があり、目を懲らすと山頂の右肩には赤い屋根の避難
小屋も見える。別山へ続き尾根は美濃禅定道になっている三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰と続いている。その手前には、願教
寺山、薙刀山、野伏ヶ岳の山々が並んでいる。もちろん、南には荒島岳が大きな山容を見せており、保月山コースの中岳、杓子岳
もなだらかな姿を見せている。ここからは先ほど通ってきた緑生い茂った池ノ大沢の火口原がよく見える。

- 経ヶ岳(本峰)から白山を眺望する
南峰で20分ほどの休憩をした後、北峰をめざすことにした。ここからはササこぎになることは想定内であったが、3年前と比べると
ササヤブがひどくなっている。しかし、踏み跡はあり、下を見ながらササをかき分けて進む。30mほど進むと三等三角点があった。
さらに進むと、ササの中の急な下りとなり、滑らないように注意しながら進む。傾斜が緩くなってきて吊り尾根のトラバースに入ると
ササが少なくなり、ニッコウキスゲの黄色い花が出てきた。ササこぎは相変わらず続き、尾根芯を巻いたり、右側に寄ったりしなが
ら進み、緩やかに登っていくと、北峰ピークに到達したところ、先客がいた。どう見ても60代の夫婦だ。法恩寺山から尾根伝いにや
ってきたものと思われたが、激ヤブを通過してきたのか?と思い、尋ねてみた。すると、法恩寺山からやってきたが、P1390から先
もヤブが刈ってあったので、難なく登って来られたとか。なるほどと頷く。これでしばらくは法恩寺山から経ヶ岳へのスルーコースが
歩けることになった。
北峰から少しだけ進んだところに赤兎山分岐点があり、ここには標識が設置してある。ここのちょっと下にテラスのような場所が
あるのだが、今日は男女ペアの先客がいたので、標識のところでランチタイムにした。まずは、白山に向かってアワワで乾杯だ!
今日はコンビニであつらえた助六寿司と冷し素麺(揖保乃糸)のコンビだ。ビールが、素麺が、寿司がうまーい!しばし至福の時
を過ごした。ここはまさに白山の展望台になっている。正面に白山の御前峰と大汝峰、右に別山から三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰と続
いている。正面手前には赤兎山があり、左には大長山、さらに取立山が見えている。この眺望は南峰(本峰)からは見ることがで
きないので、多少のササこぎの難儀はしても、北峰まで行くことをお勧めしたい。

- 北峰から白山(御前峰)を望む
さて、ランチタイムを終えて、再びササこぎをして南峰に戻ると、登山者が3人いたので、軽く挨拶を交わして、切窓に向かって
下る。急な下りは刈られたばかりのササで滑りやすくなっている。注意しながら下っていると、正面に中岳からやってくる登山道
に10人あまりの登山者が下ってくるのが見える。切窓まで下ると、ここから中岳までは少々急な登りになっている。そして、中岳
から杓子岳までは切開きの緩やかな登山道になっていて、ニッコウキスゲの花が咲いている。振り返ると、南側に旧火口壁を擁
した経ヶ岳の姿には迫力がある。
なだらかな歩きは杓子岳で終わり、ここからはやせ尾根の急な下りとなっている。登山道は整備してあり、階段やハシゴ、ロー
プなどが設置してある。前方に保月山を見ながら下っていくと、岩峰(牛岩)があり、ここは左から回り込むようにハシゴを下る。
さらに少し登り直すと小さな広場があった。見ると三角点があり、保月山の標柱が立っていた。保月山を通過すると、ブナ林の中
に入り、小気味よい樹林帯の中の下りとなる。途中にアダムとイブの木と命名された木があったが、これはブナとミズナラが巻き
合ったものである。ここを過ぎると、ジグザグの急降下になるので注意して通過し、傾斜がなだらかになると間もなく林道に飛び
出した。ここが展望台登山口であった。3分ほど歩くと展望台に到着した。デポしていた自転車に乗り、少し登りがあったものの、
10分で唐谷林道入口の駐車地に到着した。