【日時】2012年6月23日(土)
【山域】白山
【天候】晴時々曇
【コース】
大白川 7:00--- ゾロ谷出合8:50---ゾロ谷雪渓1,970m 11:40---たんぽぽ平12:40---
アルプス展望台 14:00---大倉山16:20 ---大白川登山口18:00

- 今回はDコース
今年もゾロ谷の季節がやってきた。
今回のお目当ては源頭部の雪渓の中で最も早く雪の消える南寄りの雪渓をつめることだ。
そんな雪渓に登るので今回はこれまでになく早いタイミングでのゾロ谷入りとした。
台風通過後の地獄谷は水量は多いが問題はなくジャブジャブ進んでいく。
20分ほど進むと早くもスノーブリッジのお出ましとなった。
いつもなら地獄地帯を過ぎてから雪が現れるゾロ谷だが、この先はかなりの残雪が期待できそうだ。
硫黄臭が漂いだすと広い賽の河原に飛び出す。
噴気が上がっていないところを見ると今日は閻魔さまのご機嫌がいいのかもしれない。
スノーブリッジの中から吹き出す硫黄臭に酔いながら雪渓の上に乗っかり歩きだす。
ゾロ谷出合の直前で雪渓は一旦崩落、雪渓は毎年違った表情を見せてくれるのが嬉しいからやめられない。
いつもはプチシャワーを浴びながら入るゾロ谷だが、今日は水の冷たさがハンパじゃないなので尾根の上からまわり込んでゾロ谷に入ることにした。
地獄の様相がなくなった辺りで再び雪渓に上がる。
今日の残雪量ならもう雪渓が途絶えることはないと確信し、沢靴から山靴に履き替える。

- D雪渓から見下ろす眺め
この辺りはもうひと月もすれば崩落雪渓をくぐり抜けながら進む楽しいところだが、何の変哲もない雪渓歩きは面白味に欠ける。
雪渓の両岸ではオオルリやミソサザイが賑やかに囀る。
やがてその歌声がルリビタキに変わる頃には標高も2,000m近くなる。
屏風のように立ちはだかる斜面には選り取り見取りの雪渓群が並ぶ。
お目当ての雪渓に入ると一気に傾斜が増し、ぐんぐんと高度を稼ぎ展望が開けてくる。
背後に望むアルプスには白出沢が巨大な雪渓となってるのが確認できる。
う~ん、あそこも登りたい!
雪渓はたんぽぽ平の方へものびているので、少し寄り道してみることにした。
たんぽぽ平とは自分が名付けた2,130m付近にあるネコの額ほどの平坦地だ。
その大半はまだ残雪に覆われているけれど、雪の消えた高台は草が茂っている。
その草地にはキヌガサソウの小群落が点在し、サンカヨウやエンレイソウも花盛りだ。
キヌガサソウたちの集合写真を撮ろうと思うが、みんな天を仰いでいる。
彼女たちの顔をカメラに向けようと広がる葉の下へそっと手を入れて茎を掴むと意外に太くてグロいのに驚く。
みんなでハイチーズ、う~んいいのが撮れただろうか。

- キヌガサちゃん、ハイチ~ズ!
たんぽぽ平から一旦下って雪渓上部の登りに取り付く。
登っているとあまり感じなかったが、たんぽぽ平から見た雪渓の斜度はかなりのものだ。
振り返ればアルプスの眺めがいい、南は聖に赤石、北は剱、毛勝までと申し分ない展望だ。
眺めに見とれていると背後でサクサクと音がする。
見上げると10cmくらいの石が直撃コースで落ちてくるではないか。
傾斜がきついので身動きができないと思った瞬間、石はピッケルを直撃、バウンドして足に当たった。
急斜面での落石は回避できないので気をつけなくてはいけない。
青息吐息で雪渓を登りきり、雪の消えた急斜面を這い上がる。
この先にまだ雪は出てくるのだろうかと思っていると展望歩道にひょっこりと飛び出してしまった。
たんぽぽ平の直上にアルプス展望台という休憩地が設けてあるのだ。
展望歩道を彩るウズラバハクサンチドリにカメラを向けているとクマ鈴の音が聞こえてきた。
登山者が南竜ヶ馬場の方から登ってきたようだ。
人に出会わない山旅ばかり続けていると、人の気配を感じた途端に逃げ出したくなってしまう。
歩道から外れて崩れた雪庇回廊の中へ静かに消えて行くことにした。

- 雪庇回廊に消え入るのみ