【 日 付 】2012年6月7日(木)~8日(金)
【 山 域 】白山
【メンバー】ひとり
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】
7日=白水湖~大倉山避難小屋~東面台地~転法輪谷~御前峰の肩~大倉山避難小屋
8日=避難小屋~白水湖(周辺散策)
なんでも南の海には台風がいてるらしい。そいつのせいでそろそろ梅雨に入りそうな気配。それまでに気になってる山に行っておきたいなあ…
などと思っているところへ、珍しくT女からメールが携帯に。「もう雪の山にはいかないの?」
あれー! そそらせてくれるやないの(@_@;)
行こうか、行かんとこか…、行きたいけど、億劫なような…。そんな梅雨の空みたいな心境にカツが入り、一変! やっぱ行くしかないがな~(^O^)/
狙い目エリアはここ数年の懸案調査対象である白山東面からのアタック。とは言ってもヤブコギ精鋭の北部方面ヘン隊の方々のように、マナコだのヤケナメリだのといった軟体動物か妖怪まがいな名前の冥界へはよう行かん。(>_<)
で、思い浮かんだのが、確か3年前、ツアコンの両腕に捉まってT女、Y女が雪遊びされた大倉尾根からの東面台地詣りだ。これなら行き当たりばったりだってなんとかなるんじゃおまへんか?
いや、そんな甘いもんではないかも知れん。が、正直なところ、白水湖(大白川ダム)ってところへすら行ったことがないのである。東面台地へ到達できなくとも、そのコバルトブルーだかエメラルドグリーンだか知らないが、えも言われぬ色合いの湖面を眺めるだけでも後世への土産になるではないか。
なにより、この湖で硫黄化合物を食らって唯一生存しているという生物「ウグイ」様にもしも出会えるなら、そんな光栄なことはない。
そんな思いを胸に、平日で深夜割引しか使えない高速をなんとか乗り切り、白水湖の畔に着いたのは6時前。どこが登山口かも分からないので案内板を覗いたりしていたら、車がやってきた。運転の女性に聞けばトイレのある駐車場の上の休憩舎があるところが平瀬道の取り付きらしい。
6:40
整備された登山路は歩き易い。マップには避難小屋まで3時間とあるけど、ネットのレポでは2時間が多かった。その真ん中で2時間半くらいかな?
などと勝手に推測してみるが、なんの根拠もない。5月の台高では市販地図のタイムより遅かったし…。若者の2倍、赤線タイムの1.5倍くらい見とくのが妥当なんだろう。

- ブナの木漏れ日
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白山はこちらからは初めて。この尾根道は最初からブナの回廊で、新緑が陽射しを遮ってくれる。
白水湖の対岸には南白山からの尾根。どれが焼滑やろ…? 尾根へ向かっていくつも白い谷が延びているが、どれも普通の人間なら登るようなフィールドではない。
今度は右手の樹間に覗く山。三方崩山だ。昨年、中宮道から見たのとは少し角度が違う。こちらの方がやさしく見えたのは逆光気味で崩壊地が目立たなかったからかも?
一部崩れた急な登山路をクリアするとco1990で残雪の壁。ここからは登山路が残雪で分断されているが、先行者の踏み跡があり迷うことはない。
眺望抜群の稜線。三方崩山から左に延びる尾根の行き先は間名古の頭。前方には剣ヶ峰と御前峰が並ぶ。大倉山のピークは通過点の感じで存在感がない。左にはずっと南白山の尾根が見えている。
おっとっと…、見とれてたらあかんがな(@_@;) 東面台地へのルートを確認しとかな!
尾根の北側の溶岩台地には、直ぐ下の大白水谷から転法輪谷、小白水谷…とシワのように尾根と谷が横たわる。ツアコンレポでは、避難小屋の先から大白水谷ヘ下り、二股から尾根越えして転法輪谷へでて、さらにその左岸の尾根から・2188へ出ている。
大倉尾根から見ると二股の右俣はかなり斜度がありそうだが、行ってみないと実際は分からない。だいたいの地形を頭に入れておく。

- 大倉山避難小屋
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大倉山のピークには寄らないまま避難小屋に到着。時計を見ると9:40。丁度3時間掛かっている。休憩に写真撮り時間込みやから、まあ、こんなもんか(~o~)
あまりに暗いので西と北側の雨戸を開ける。しっかりしたアルミ合金のステーで固定できるようになっている。
10:10
さあ、ここからが今回のメインイベントなのだ。小休止後、ナップザックに雨具と水、昼食だけ入れて小屋を出る。
小屋の先はササの北側斜面が雪に埋まり、そのまま谷筋へ下れそうだ。ルンルンで進んで行くと傾斜がきつくなる。こりゃちょっとヤバそう(@_@;)ってことで左へトラバース。やや上流から大白水谷へ降りる。あとは二股まで雪の谷筋を下るだけ。さてその二股はどこや?(実は下ったところも二股なんです。)
上から見ていた地形で判断して、それらしい二股を右俣ヘ。そのまま上に向かい、適当なところから右手の尾根を越える。見れば大きな尾根が張り出してきているが、これを登るわけではなさそうだ。
その尾根を右手から迂回するように水平移動。少し登ると目の前に広い大地が広がる。そうだった、ツアコンレポにも転法輪谷は平坦だと書いてあったなあ…。
見上げるとドラミちゃんみたいな山がこちらを見下ろしている。co2120のポコだ。あれを越えないと東面台地の頂点には届かない。

- ドラミちゃんピーク
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それにしても、この胸の動悸はなんだろう。小屋までは何ともなかったのに、軽荷になって調子に乗り過ぎたのかな? 心拍が早くなるのは構わないのだが、モールス信号か酔っ払いの千鳥足みたいにピッチが一定しない。点火プラグが一本イカレたエンジンみたいなもんである。
どうも気分がよろしくない。とは言え、これは初めての症状ではない。思い起こせば、滝波山リベンジの帰路、穴毛谷リベンジの帰路、台高テント泊の時も現われた症状だ。つまり、何らかの危険信号なのだ。なので、心配はいらない。休めば治るのだ。
今日の場合は、前夜の寝不足とシャリバテ気味、水分不足などが原因だろう。雪から顔を出しているダケカンバの株をベンチに一服する。まだ11時過ぎでちと早いが助六寿司で昼食。胃が縮んでいるからなのか全部は食べきれない。空は青空。とりあえず3年前にポポンタツアーの三人が行った・2188までは行ってみたいなあ…。
12:05
20分ほどの昼寝と合わせ約1時間のランチタイム。12時を回ったので目的地へ向かう。ちょっと楽になったが、ゆっくり進む。直ぐにドラミちゃんの顔の下にやってきた。両手を広げたような木が出迎えてくれる。「ようこそここまで!(^^)!」と言ってくれてるのか、「OH NO! ここはアンタの来るところやおまへんで~(@_@;)」と言ってるのか…?
正面はキツそうなので右から巻くように登っていく。アイゼンにピッケルを持ってきて良かった。雪は軟らかいのでピッケルをグサリと突き刺し一歩二歩、グサリ、一歩二歩…この繰り返しでドラミちゃんのオデコを越えると、最終段の登りだ。きついけど距離は知れてる。あと200歩と読んで下だけ向いて登り続けると、目の前にクレバス! と思ったら最上段の岩と残雪の隙間だった。これはとても渡れない(>_<)。 仕方ないので右へトラバース。前方は見えないので絶壁だったらどうしよう? と慎重に進むが心配無用。うまく回り込んで台地へ飛び出した。13:25。
水分補給して、残りの助六寿司を食べる。すっかり体調はよくなり、食欲も戻ってきた。前方には屏風のように御前峰と剣ヶ峰が聳え、右手には大汝峰の頂も目に入る。直ぐにでも走って行けるような錯覚に捉われる。

- 転法輪谷雪渓(左)と小カンクラ雪渓(右)
- P6070175.jpg (44.12 KiB) 閲覧された回数 6443 回
13:40
さてと…。一応、ここで目標は達成だ。引き返してもいいけど、どうしよう…。などと、頭では考えているのだが、休憩を終えた足はすでに前に踏みだしている。
右手へ大きく振ってヒルバオ雪渓経由で山頂というのは、まず時間的に無理。選択肢は目の前の小カンクラ雪渓か転法輪谷の雪渓かの二つ。その分岐点が近づいてくる。右は細くて急な小カンクラ雪渓。左は広くてやや緩斜面に見える転法輪谷。ここは冒険無しで行こう。ちょっと躊躇したものの理性(?)が勝って左を選択する。
谷へは下りず、左岸の斜面をヘツルように進む。凍結していたらこんな歩き方はできないだろう。最後の斜面をピッケルにすがるようにして登り切り御前峰の肩に出る。・2188から1時間半。空身のせいか思ったより楽に登れた。
15:05
右手に聳える御前峰をピストンしてもよかったのだが、「本日ここまで!」と言い聞かせ、前方のハイマツ台地を見下ろす。室堂からの道と南竜馬場から別山への登山路との分岐が雪とハイマツの隙間に見える。あとは平瀬道の登山路を下るだけだ。
雪が切れたところでアイゼンを外す。ところが、それ以後も9割がた雪の上だった。避難小屋まで1時間余。もちろん誰もいないが、ザックの上に登山口で出会ったKさんの美味しいお土産が置いてあった。

- 東面台地を見下ろす
- P6070196.jpg (45.86 KiB) 閲覧された回数 6443 回
翌日は5時起き。別に急ぐことはないのだが…。6時前に日帰りの単独男性が入り口を開ける。早や! 上の雪の状況を伝えて「気を付けてね~」。
やっぱり、上へ行ってみようかな?と、またイロケが首をもたげる。しかし、大丈夫。足が動かない。(@_@;)
山頂は眺めるだけだ。今日もいいお天気。風もない。別山だけに掛かっていた雲ももうすぐ晴れそうだ。花でも愛でながらのんびり下りましょう。
7時半に小屋を出て登山口に9時10分。さっそく露天風呂へ。タップリ温まったあとはロッジで生アワワ(500円)を大奮発。やっぱりうまいなあ!(^^)!
そのままハンドルは握れないので、白水湖調査?に出掛けることにする。水だけ持って左岸の林道を歩く。地獄谷に沿う林道は40分ほどで終点。ここからは沢歩きとなるのでUターンする。ふ~たん編隊はここを遡って冥界まで行ったのか…(@_@;) 危なく踏みとどまった。
湖畔に戻り、白水の滝を見に行ってから帰路につく。
初めての白水湖はいろんな出会いがあった。またいつか、あの露天風呂に入りに行こう。
~biwaco