【日 付】2012年5月13日(日)
【山 域】白山・銚子ヶ峰
【天 候】晴
【コース】美濃禅定道登山口7:00---神鳩避難小屋9:00---P1529m11:20---12:00ca1,700m12:50
---銚子ヶ峰14:00---神鳩避難小屋14:40---美濃禅定道登山口15:50
銚子ヶ峰の東斜面はカール状地形になっていて、その底には台地が広がっている。
かねてから気になっていたこのカールに足を踏み入れることにした。
久しぶりに訪れる石徹白のたたずまいが以前と変わっていないことに安堵する。
桧峠の下にスキー場が出来た時には激しく憤慨したものだが、スキーブームも去ってその後は変化がないようだ。
石徹白は自分にとって青春の思い出が詰まった山遊びの原点的存在なのだ。
美濃禅定道登山口には数台の車があるがそのほとんどは釣り師らしい。
元気のなさそうな石徹白大杉に挨拶をして登山道に入っていく。
足元を彩る花はバイカオウレンのみ、マイヅルソウやツバメオモトはもう少し先のようだ。
頭上では繁殖期を迎えたカケスが騒がしく、子供の甘えるような声を出すのに笑えてしまう。
コルリ、キビタキ、ツツドリ、ジュウイチと夏の主役たちも揃っている。

- カールから別山東尾根を望む
母御石へと突き上げる雪渓が望めるようになると、それを使って登りたい欲求が湧いてくる。
雪のない登山道を歩いていても全く面白くない。
どうにかして雪を拾って雪渓に出ようと試みるが思うようにはいかない。
ヤブの中でもがきながら以前も同じことをしていたのに気づき諦めて登山道に戻ることにした。
おたけり坂を過ぎると残雪が多くなり、登山道を外れて歩くようになる。
まるで大蛇のように長々と続く雪庇回廊の上を進んでいくと静かな神鳩避難小屋に出た。
小屋を過ぎるとほどなくして主稜線に出て、お待ちかね別山がド~ンと目の前に現れる。
南に目を移せば鋭角の屏風山がよく目立ち、その先には伊吹や鈴鹿の山並みもくっきりと見渡せる。
気温が低く空気も乾燥しているので視界がすこぶるよい。
標高1,640m付近からは母御石へと登るトレースと別れ、目的地であるカールの中へ入っていく。
別山、南白山を眺めながらの下りは気持ちいいが、きちんとルートを考えて進まないとヤブに捕まってしまう。
カールの南半分はダケカンバが多くブナの姿はない。
銚子ヶ峰を見上げるとその東壁がアルペン的なムードを醸している。
振り返れば尾上郷の新緑、その向こうには御岳、乗鞍が望めるというロケーションだ。

- ブナさんコロコロこんにちは~♪
銚子ヶ峰東壁直下は雪崩のせいでダケカンバが少なく雪原が広がる。
その雪原を過ぎると次第にブナが幅を利かせるようになってくる。
1,529mの標高点を目指して歩けば雪の上にはブナの実(殻)が無数に散りばめられている。
強い風が吹けば雪の上でブナの実が飛び跳ねて面白いだろう。
しかし、そんなものに夢中になって水音を聞き逃すと大変なことになる。
雪の下から水音が聞こえたら要注意、そ~っとその場を離れよう。
オオシラビソが茂る1,529mの標高点は別山谷を挟んで南白山が至近距離で望める展望台だ。
地味な焼滑もここから眺めればなかなかの山容で立派に見えるではないか。
南白山へ登るのにいい雪渓はないだろうかと探してみるが、どの谷もスリムな雪渓ばかりで使い物にはならない。
アプローチの難しい南斜面から攻めることはないからまあいいとしよう。
そう言えば週末は山日和さんが南白山を目指してるという、このところ山日和さんとはニアミス続きだ。

- 南白山&焼滑
1,529mの標高点を離れ、銚子ヶ峰を目指して尾根沿いに登り出すと明るいブナ林に突入、誰かさんならもう酩酊状態だろう。
ブナが途切れると斜度を増してダケカンバに入れ替わる。
斜面をガンガン登るときはやはりダケカンバの方が力強く励まされる。
その勢いで一気に稜線まで上がろうと思ったが、シャリバテ気味で時計を見ればジャスト12時。
Ca1,700mでちょうどおあつらえ向きのランチポイントに出た。
テントマットを広げて、さあ飯だ、飯だ~、プシューのつまみはサラミにちくわ。
カールを見下ろしながらのランチタイムは最高だ。
お決まりの昼寝をしようと思ったら風が吹き出してこの季節にしては寒すぎる。
とても昼寝どころではないので最後の斜面に取り付くことにした。
ピッケルにストック、アイゼンといういつもの出で立ちで最後の急登を登り切ると、雪庇越えに苦労することもなく主稜線に出た。
銚子ヶ峰山頂に立てばさっきまで店を広げていたランチポイントが丸見えではないか。
おまけに今日は赤いジャケットを着ているのでかなり目立っただろう。
山頂は登山者で賑わいオカリナ演奏まで飛び出していた。

- 銚子ヶ峰カール、後方に丸山、芦倉山
もう少し寄り道したかったが残り時間も少ないので諦めて登山道を下ることにした。
たまにはよい子の時間に下山してもいいだろう。
途中バンビちゃんにお声がかかるが、振り返れば元山ガのお姉さんだ。
その次は山ボーイ、どうしてこう山ガに縁がないのだろうか。
標高を落として残雪がなくなると緑の眩しいブナの小道が心地よい。
新緑の中でジュウイチが喧しく鳴きだした、登山口までもうすぐだ。