【日 付】2012年4月8日(日)
【山 域】奥美濃
【天 候】快晴
【コース】塚駐車場 6:45---梨ヶ平分岐8:30---916峰9:30---1,072峰10:30---11:45若丸山13:30---1,072峰14:30
---916峰14:45---梨ヶ平分岐15:50---塚駐車場 16:40
Web上では若丸山へ徳山から尾根伝いで入る山行レポを近頃よく見かけるようになった。
かつては難峰と言われた若丸山であるが、一昔前のソムギのようなブームが訪れるかもしれない。
団体さんたちが押しかける前に静かな若丸山を楽しんでこようと思い立ち、今年三度目となる奥美濃山行に出かけた。
徳山ダム湖まで入るとお彼岸の頃とさほど残雪量が変わってないのに驚く。
最後の長いトンネルを抜ければ今回の登り口、そこには豪雪の白川村を凌ぐくらいの残雪が待っていた。
言うまでもなく車から降りればすぐにスノーシューが履ける。
残雪を拾うのに苦労することもなく直登でガンガン高度を稼いでいくと、すぐに植林帯を抜けて先行パーティーに追いついた。
奥美濃で他所のパーティーに出会うなんて珍しいことだが、この頃人気の若丸山なら当然なのだろう。
パーティーの中の元山ガのお姉さんがたんぽぽの尻皮を見て声をかけてきた。
元 「それいいねぇ、なんて言うの?」
た 「バンビちゃんで~す♪」
なるほど爺もこうやって元山ガを釣っていたのか。
それにしても現役の山ガちゃんはいないもんかねェ。
(たんぽぽのうろつく山に山ガがいるわけね~やろ!ごもっとも・・・)

- 若丸山 後方にアラクラ、冠、金草が望める
進むにつれてブナの幹周りは太くなってくる、その根元を覗けば積雪は1~2mと4月の奥美濃とはとても思えない。
ブナ林の向こうには越美国境稜線の山並みが朝日を受けて輝いている。
中でも群を抜いて際立っているのが奥美濃ホルンの冠山だ。
その正三角のマッスは室堂から眺める剣の姿にも似ている。
梨ヶ平にある小ピークに立つとリボンがあって若丸山へと続く尾根への下降点となる。
ズボラをして雪の消えた尾根をスノーシューで下るのは辛いが、下りきってしまえば踏み抜きそうな雪庇回廊もスノーシューの浮力で快適に前進できる。
雪庇回廊はほとんど平行移動なので若丸山がどんどん近づいてくる。
正三角に見えてた冠山はその鋭さを増して槍ヶ岳に勝負を挑んでいるようだ。
癒し系のブナ林も周囲によい眺めがあると煩くなってくる。
ブナアルコールの強い分解酵素を持っているたんぽぽは誰かさんのように酔うこともない。
いいかげんにブナ林から抜け出したいと思っていると木立の少ない1,072峰への取り付きとなった。
気持ちのいい雪稜を登っていくと若丸山への雪壁が目の前に迫ってくる。
ピークに出ると大桧が出迎えてくれた、もうひと頑張りで若丸山だ。
シャクナゲ混じりのヤセ尾根をスノーシューで強引に下ってしまえば最後の取り付きとなる。
かなりきつい斜面を想像しているだけに本日イチバンのお楽しみの場面でもある。
斜面の下にはブナ林が広がっているので、万一滑っても大事には至らないだろう。
滑落停止訓練にはいいかもしれないなどと考えながら登っていく。
傾斜がきつくなり我慢できなくなったところでストックをピッケルに持ち替えた。

- 若丸山南稜を見下ろす、高度感がいいね~
ここでどうでもええ話をひとつ・・・
今回使ったピッケルは新顔のおフランス生まれのPetzl君。
“海外での買い物は楽しいね”の後日談を気にしてる方もみえるかもしれないのでお話しましょう。(そんなヤツはおらんって?)
おフランスはアヌシーのお店の90ユーロは超魅力的だったが、結局はアメリカはニューヨークのお店で買い物をした。
SUNNY SPORTSといういかにも明朗会計してくれそうな名前の店で、129ドという特値が出たタイミングでポチッたのだ。
海外発送してくれる店だが"free shipping on orders over $50"ということなのでアムトラックでLAまで3日間。
カワイイ娘には旅をさせろで大陸横断の旅をしてもらった。
LAからはワンクリックでつうさんの懐もポカポカ暖まるというヤブ板トップに出てくる配送代行業者を利用。
(ちゃんと通さんのことも考えてまっせ)
malltailという業者が37ドルで我が家まで届けてくれた。
NYの倉庫ではロッキーの山でデビューする日を夢見ていたであろうPetzl君。
こともあろうに極東の変てこな山でデビューしようとは、このPetzl君はよほど運がなかったのであろう。
さ~て、本日のクライマックスシーンへ戻ろう。
どんな雪壁が出てくるかワクワクドキドキ・・・
スノーシューで頑張れるところまで進もうとガシガシ登っていると目の前に青空が広がってきた。
ナヌ・・・もうお仕舞いなの??
あまりにあっけない終焉となってしまったクライマックスに落胆、まさかスノーシューで登りきれるとは思ってもいなかった。
しかし雪稜に出ると目の前に広がる展望には感激、久しぶりに白山の雄姿を見れたのがなにより嬉しい。
フカフカの新雪を蹴散らしながら進めばすぐに若丸山山頂に着いた。
毎週末の悪天を詫びるかのように今日は雲ひとつない青空が広がっている。
さて、ここで勢揃いしてるみんなの点呼をしよう。
冠くん、金草くん、釈迦くん、笹くん、美濃俣丸くん、黒壁くん、烏帽子くん、金糞くん、蕎麦粒くん、小蕎麦粒くん、伊吹くん、天狗くん、小津権現くん、花房くん、雷倉くん、磯倉くん、能郷白山くん、御岳くん、乗鞍くん、姥くん、荒島くん、白山くん、銀杏峯くん、部子くん
欠席者なし!みんなの顔がよくわかるのが実に嬉しい。

- 越美国境の向こうに能郷白山が横たわる
ランチを済ませばまったりとお昼寝タイム、やっぱり山はこれに限る。
目覚めればガスの中なんてことはよくあるが、今日は一片の雲すら現れない。
若丸山でこんなにのんびりできるとは思ってもいなかった。
実はアラクラの頭まで足をのばして周回することも考えていたが、ぐ~たらモードへ切り替えたためにゆっくりできたのだ。
元山ガのお姉さんたちのパーティーはどうしたことか1,072峰辺りでUターンのようだ、最後の斜面を見て諦めてしまったのだろうか。
賑やかな山頂をイメージしていたが意外にも独り占めの若丸山頂で奥美濃気分を堪能できた。
急斜面の降下は松の廊下と揶揄されるスノーシューではさすがに厳しい。
念のためにアイゼンも履いて下り始める、備えあれば憂いなしで行こう。
1時間ほどで1,072峰まで戻ってくればもう楽しかったエリアはお仕舞いとなり、あとはブナの尾根をだらだらと歩いていくだけだ。
山行レポをアップすることを考えるとついつい頑張ってしまうことがある。
今回も周回コースにすればレポは充実しただろうが、ヘロヘロのボロボロでの帰還になることは決まっている。
腹八分目医者いらずと言うが山遊びも八分目くらいがいいのかもしれない。
そんなことを思いながら梨ヶ平まで戻ればもうかなり疲れてきた。
自分の体力ではピストンがちょうどよかったのだと思いながらブナ林を下った。