おはようございます、ZIPPさん。
南国・熊野とはいってもこのあたりの谷に少し入れば、氷柱がぶら下がっている。育生町から表倉を見上げながら尾川川を遡り、大田井橋手前の路肩に車を止めた。
足元にバイカオウレンが咲く苔生した左岸沿いの古道を進む。吊橋にしては立派な石積み橋脚のあるところを手前に、谷に降り、右岸道を辿って行く。
しばらくで、みみじまさま(耳島様)。穴の開いた岩(石)が御神体で、穴を開けた石を奉納しお願いすれば耳の病気を治してくれるという。古い民間信仰の一種だろう。花の岩窟やこれから向かう妙見倉も磐座が御神体だ。またこの近くには、大丹倉やビキ島(ヒキガエルの岩倉)やタツ島(竜の岩倉)なる磐座があって興味深い。
熊野だけに古そうですね。
修験道が入る以前の民間信仰も残っていますよね。きっと。
砂防上の河原を進み、谷は緩やかに右に曲がるところで、後方からポチャン!と音。振り返ると、びぃちゃんが石の間に背中から落ちている。お尻は濡れていないが、ザックは水の中だ。このままだと、ザックからの水の滴りがお尻を濡らすので、合羽のズボンを履いた。
この時期に出足早々・・
ここで右から本流である谷と出会う。左岸に続いていた道はここで朽ちた吊橋で本流を渡っている。
これって仕事道です?
そこを過ぎると辿る谷にはガンガラ滝以降、初めての滝らしい滝。ガンガラ滝と同じく両岸を岩で繋いだ堤防状から流れ落ちる3m程の大きな釜を持った滝だ。
その奥には深い緑色を湛えた淵に7m滝が飛び込み、その奥にはさらにきれいな大きな釜をもった8m美瀑。突然の滝の連続に嬉しい悲鳴だ。
地元の人しかしらない美爆ですか?
出合の小滝を登って奥に行くと、連続してハングした岩から落ちる12m程の滝、簡単に左岸を巻いて降り口に立ち、V字状の岩谷をヘツリながら進むと、2段のくノ字の滝。そして廊下のドンずまりには、右から30mを越えそうな黒い大滝。少し戻って左岸大巻を開始。
巻けたかと谷に近づくと、まだ滝途中でさらに巻き、滝口に降り立つ。しかしその廊下の奥も右に折れて嫌な感じ。びぃちゃんに谷に降りずに待ってもらって見に行くと、木の刺さった滝に、その上は緩いナメ滝が続いている。この高さになると、滝の周りが凍ってて厄介、これも巻きだ。ヤブを漕いで巻いていると、思いもしなかった細い杣道に出た。
杣道が谷に近づくと、さらにその上に大きな滝が落ちていて驚く。
その滝口から上は、小滝と岩を丸くえぐられたきれいな釜が連続するきれいなところだ。しかし、岩が凍っているので不用意に谷に降りられない。
そのまま杣道を使って巻き、左から枝谷が入る対岸に白炭=備長窯跡を見て、やっと悪場が終わった。やれやれだ。
二俣から先、こんなにぎっしりと滝が詰まっているなんて思いもよらなかった。それとも地形図が間違っているのだろうか?少し休憩だ。
思いもよらぬ充実した上りになりましたね。
石段を上がり、先週新調された鳥居をくぐり、磐座前で今日の山行を感謝し、往路の安全をお祈りして、妙見倉の上に登り立つ。びぃちゃんはシャリバテなのか、足があがらないと遅れてくる。
火祭りって今でもやっているんですか?
七里御浜と南紀の山々が見渡せる岩の上で遅いランチだ。しかしいつの間にか空は曇り、絶好の展望と云うには程遠い景色になってしまった。それに寒い。
シュウマイを蒸し、キムチ忘れ鍋!つつきながら赤ワインを頂いた。
今日は中華風ですね。温まります。
妙見倉ピークから西の破線道三叉路に降り立ち、破線道を北に辿る。
三叉路の入り口部分は、ちょっとあやしそうな道に思えたが、幅1mほどもある立派な道である。随所に石積みされ、傾斜が緩く、高度を下げる(上げる)ところでは、何度もジグザグに石積道を切返している。荷車でも通れるほどの傾斜で、そういったところは、つひショートカットしてしまう程だ。
これは何の道です?
ただ、途中唸り声が二度聞こえた。びぃちゃんには、「イノシシだよ」と云ったが、イノシシにしては、直ぐ脱兎のごとく逃げていく音がしなかったし、クマだったかも。
県道からの入口に熊出没注意の看板もあり、ここはクマの生息域なのだ。
よかったですね、格闘にならなくて・・
すでに書いたが、予想以上に滝の詰まった面白い渓だった。岩床も雰囲気がいい。
この山域は、自然や人の営み含めて非常に面白そうだ…というのが一番の印象だ。
想定外の発見もあり充実した山旅になりましたね。
お疲れ様でした。
わりばし