湧谷山スノーシューの翌日、天気予報を見たら東海地区は高気圧が張り出し快晴マークである。
これはどこかに出かけねばなるまいと思い以前から気になっていた冬の鎌尾根に行くことにした。
「日付/天気」平成24年2月5日
「山名・山域」水沢峠~鎌尾根~鎌ヶ岳
「メンバー」単独
「コースタイム」7:30宮妻峡~8:00水沢岳登山口~9:40水沢峠~10:44水沢岳~鎌尾根~14:00最後の岩峰(三角岩)~14:50鎌ヶ岳山頂~16:30宮妻峡
2月5日宮妻峡に車を止める。
出発しようとしたらスパッツを忘れたことに気がついた。
これはエライことである。しかし今更引き返す訳に行かないので足元がびしょ濡れになるのを覚悟で出発した。
私の少し先をピッケルを持った若者が歩いて行った。
約30分林道歩くと登山口に着く。雪はまあまあある方だ。水沢峠までは谷沿いの登山道を登って行く。
先行トレースがあるのでルートを誤ることもなく楽だった。なければ相当苦労しそう。
水沢峠に出る手前で氷瀑を見ることができた。こんな場所にもあるなんで意外だった。

- 氷バク
水沢峠の手前は急な登りで少し手こずった。
水沢峠で小休止し、足元を確認するとやはり靴の中に雪が少し入っていた。
応急処置で靴の上部を紐で締めなおして、更にズボンの裾にビニール袋を裂いて巻き付けた。
水沢峠から水沢岳までは急な登り、途中に馬の背尾根というキレットがある筈なのだが雪庇になっていたようで気がつかなかった。
水沢岳を下るとキノコ岩という所に出た。 鎌尾根に来るのは久し振りだがこういうポイントはよく覚えている。

- tamagoiwa
ここを下りる出だしがかなり急になっていてスノーシューを外さざるをえなかった。アイゼンを付けて立ち木に掴まりながら慎重に下りた。
そこからしばらくは気を抜けないもののやや安定した雪庇の尾根歩きだったので再びスノーシューを履いた。
衝立岩が見えてくるとこれから核心部の岩場地帯に入って来る。
引き返すならこの辺りかなと思ったが先行トレースがあったので先に進んだ。
P1028を過ぎるころから雪庇はますます危なくなりギリギリの所にトレースが付いている。
トレースがなければ多分引き返していただろう。

- syourituiwa
そしていよいよ衝立岩まで来ると衝立岩の裏側に下りる道が付いていたが急な坂なのでここでスノーシューを外しアイゼンを装着した。
少し下ってから登り返しがかなり急でおまけに足場が雪に隠れている為、相当大変だった。
さらに背中に担いだスノーシューが木の枝に引っかかったりするので余計に大変だった。
やっと上に上がって岩場を通過しても切り立った尾根の雪庇があったりして気を抜けない。
先行者はよくもこんな場所を行けるものだと関心する。
そこで後ろから単独者が2名少し時間を置いて追いついて来た。一人はピッケルに12本爪の完全武装の中年男、もう一人はピッケルもストックも持っていないので驚いた。
余程バランスに自信があるのだろう。今日は風もなくお天気もいいので考えることは同じかな
彼等には先に行ってもらって後を追った。
トレースを追いながらザレ場を通過し、危うい雪庇を踏み抜かないよう慎重に通過する。
やっと鎖場に来たようだが鎖がほとんど雪に隠れている。スタンスも雪に隠れている為、雪の上に付いた足跡を辿るしかない。雪から僅かに出ている岩に掴まり慎重に通過した。
鎌ヶ岳まで最後の岩峰(三角岩)に差し掛かった。ここに上がるのはさして問題はなかったが下りで問題が起きた。
足跡を追いながら前に進み、途中に雪が崩れた場所を通過し、その後岩場の急な斜面の危ういトラバースを木の枝を足場やホールドにして慎重に通過する。
その後更にホールドの少ない急な壁を登ることになる。クライミングなら確保されているから何でもないがここはそうも行かない。落ちたら下まで止まらないだろう。
必死になってやっとのことで上に上がると小さなテラスになっていたがそこで行き止まりであった。
又あの怖い岩場を下りるのかと思うと愕然となった。
しかし下りねば戻れないので勇気を振り絞って慎重に下りた。
やっとのことで下りたものの今度は本当の下り場所が分からない。
もし降りるなら先程通過した雪が崩れた場所であるがあんな所を下りられるハズはないと思い悩んでいると前方の鎌ヶ岳山頂から先行した若い登山者がこちらを見ていた。
その登山者に大きな声で「ここを下りるんですか~」と叫んだら、両手でマルをした。
下を覗き込んで見ると滑り台のようになっていて谷底までそのまま落ちて行きそうな感じである。
しかし下りねば帰れない。
勇気を振り絞って後ろ向きで降りていくが12本爪でないのが悔やまれる。途中で雪が崩れたらと思うとゾッとする。
5mくらい下に足跡があるので、あそこで向きを変えたのであろう。先行者はよくもこんな所を下りたものだと感心した。
必死の思いで下に下り、雪の斜面をトラバースするとやっと危険地帯を抜けることが出来た。
岳峠まで行くと先行者の青年とすれ違った。「あそこ怖かったですね」と声をかけると「そうですね」と笑顔で返してくれた。その青年も最後の岩峰で行き詰まり途方に暮れたらしい。
時間も押し詰まってきたのでザックをデポして空身で鎌ヶ岳山頂に向かった。
山頂の鳥居は3分の2が雪に埋まっていた。

- 山頂の鳥居
山頂からは御在所、国見岳、クラシ、七人山、雨乞岳、山頂の南側に行くと今まで通過してきた鎌尾根、遠くに目をやると仙ヶ岳方面もよく見えた。
心配していた足元の濡れはビニール袋の緊急処置でなんとか持った。
下りはカズラ谷から一気に下山した。
宮指路