【両 白】 打波川桧谷よろぐろ谷
【日 時】 11月5日(土)
【地 図】
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 7355714361
【同行者】 たろーさん始め山仲間3名
【天 候】 曇り~雨
【ルート】
下小池P(9:20)~峠状(9:30)~桧谷(9:42)~白滝(10:08/11:20/32)~県境稜線(14:15)~1073西の二俣(15:28)~白滝(16:18)~下小池P(16:45)
なるほど、「夕方五時までにゲートを出ろ」か・・・。駐車場整理に当たっているおじさんから念を押されて「まぁ、余裕だね」って感じ。しかし・・・
桧谷の出合までわざわざ林道を下り返すのも何だかなぁ。尾根を乗り越して谷に下降しよう。適当に斜面を上がっていくと明瞭な道型に出会った。白滝への散策路らしい。峠状には「白滝→」を示す道標が立っている。ここから谷型に突っ込む。
桧谷本流を遡行していく。白滝が視界に入ると、はっと息を飲む。見事だ。造化の妙だ。巨象が横たわって水浴しているかに見える。えもいわれぬ美しさ。

- 白滝
おっと、左岸の巻きか。お互い、ちょっと「?」ってな思いもあったのだが、それが運悪く的中。
くねったウリハダカエデをくぐって灌木をつかんでよじ登る。もろく厳しいルンゼの急登になってくる。難関だよ、これは。どこまで這い上がっても、左の上流側には逃げられない。スラブに薄く土が被った上に植生がへばりついて、いかにもヤバそうな法面が漠々と広がっている。その奥はセメントを流したようなスラブだ。高度だけがどんどこ上がってしまって追い詰められる。
どこに活路を求めていいのか悩む。知恵を絞る。たろーさんがようやく難所から逃げ切る。ロープを投げてくれた。助かった!紅葉の高巻きだ。

- 紅葉の高巻き
下りはスラブに刻まれた沢状を3ピッチで懸垂。何と、1時間を超える大高巻きになってしまったぞ。しかし、象の背中に乗った気分は格別。ただし、滑りやすくて要注意だ。

- 懸垂の3ピッチ目
本流と別れて左俣のよろぐろ谷へ。ナメと釜の連続は面白いのだが、つるつるで危険極まりない。腰が引ける。ツルっときては傍らの灌木にガシっとすがる。誰かさんなどはプチ流しそうめん状態だ。お互いの姿を見ては笑い合う。
マタタビの実が朱色。渓相が徐々に変化の兆しを見せ始める。斜度が出てきて二段10mとなる。これは右岸の巻き。最短で河床に降りよう。懸垂可能地点まで、注意しながらフリーで下降していく。懸垂1本。
いつしか雨が・・・。崩れるのが早いなぁ。それでも我らのテンションが下がることはない。
ナメ天国が続く。どうに滑りやすいのでへっぴり腰で溯行を続ける。不思議な造形。舗装路のような水路に、落ち葉がふーっと流れてくる。

- よろぐろ谷のナメ
8m滝は右岸の巻き。5mの滝は右辺をよいしょ。これを過ぎると規模が減じて小滝を連ねるようになった。源流帯を求めて溯行続行だ。
いよいよ沢型が崩壊地に呑み込まれた。木の根っこにすがって、よいしょで右脇に逃げる。ところがEちゃんのすがった根っこがぶち切れた。これで後続の二人は登る手だてを完全に失った。
二人は、結局、私のよじたルートを諦めて、独自路線で活路を見い出した。私はブナの傍らで小休止しながら二人を待った。
やがて二人が追いついてきた。ここからは、ほとんヤブなしで赤兎山~杉峠の縦走路に到達する。
雨に打たれて腰を下ろすと、Eちゃんの暖かい紅茶が出てきて三人で回し飲む。こいつはHappy。冷え切った体が、芯からホカホカしてくる。
さぁて、下山、下山。杉峠西の1270m鞍部から下降する。しばらくして沢型が出てくる。黒い滝場のお出まし。5mを懸垂。小沢が集まってくる。我々も本流へと合流した。
いよいよ大ナメの始まり。うねるような造形。水流が渦を巻き、離合集散しては不思議模様を作り出す。私も泳ぎおさめだ。う~、風邪引くかも。
腰かけのようなポットホールには笑える。安易にステップを刻むと滑りやすいので、ここは慎重に行く。水流が、うねりくねりのひねくねり。まだまだ続くぞ、ナメナメ大会。

- ポットホール
舗装路を流れる水の流れが摩訶不思議。そこを落ち葉が流れて興趣深い。一枚二枚と落ち葉を数える。雨もいい。ため息の出るような自然の妙。花鳥風月に遊ぶとはこのことか。
往路に取ったよろぐろ谷を合わせて白滝へ。右岸から巻くと杣道があった。造林小屋をやり過ごして河床に降りる。一本橋を渡って対岸へ。往路には橋の存在に気づかなかったから不用意なもんだ。小尾根を登り、杣の道の巧妙な造作に感じ入りつつ先を急ぐ。
稜線に出て、しばらく歩くと例の峠状。急げや急げ。閉門ぎりぎりの時間だよ。ここでも泥道にずるり・つるつるやりながら、這々の体で駐車場にたどり着いた。
びしょ濡れの身体を乾かす間もなく、係員にせっつかれる。着替えなんか他でやってくれ、ゲート閉めたいんだから・・・という具合。係員さんには申し訳ないものの、こちらも冷たい雨中の遡行に息が上がっている。
情緒に浸る間もない。慌てて一切合切、車にくちゃくちゃに詰め込んで駐車場を後にする。九頭竜温泉『平成の湯』まで走り、どうにか秋雨にこり固まった身体をほぐした。(^o^)
雨の沢も美しい・・・心からそう思える私は、ようやく大人になれたのか。
ふ~さん