竜神さま、こんにちは。
○○でございます。
仙ヶ岳南斜面をわがテリトリーにしたいと願う者でございます。
前日に天女さまより、お告げがあり、「明日はどちらへ」という天からの声に嬉々として「矢原川左股へ!」と申し上げてから、なぜに天女は、かくのたまったのかと、しばし眠れぬ夜を過ごしたのでございます。
当初の計画は2~3人でサクッと不動滝を巻き上がり、左岸のタカノスから仙鶏尾根へ上がり、野登寺にて一年の煩悩を納めて、坂本に下ろうと思っておりました。
ところが5日ほど前に、女性2名ほどからの同行希望の知らせがあり、これもまた、嬉々として快諾をしたのでございます。この時点でふと女性のスキルをかんがみるに、帰路の計画を仙鶏尾根P778から茶畑に下りる破線を使っての下山に変更としたのでございます。
さらにその翌日、69歳の男性からも参加希望があり、この人のスキルがわからないこともあって、装備にハーネス、カラビナ、シュリンゲを追加したのでございます。
この時点で総勢7名のパーティーとあいなったわけでございます。
結局のところ、坂本棚田駐車場を8:40に出発しました。竜神様と天女様とは40分差でございました。
ここは日本棚田百選に選ばれた風光明媚な村でございました。その村はずれの林道を行けばそこにはどこかで見たピンクの○○の下がった車が鎮座しているではありませんか?
この時点で勘の鋭い私は、竜神様は天女様と入山しておられるのであろうとピ~ンときたのでございます。
さてわれわれといえば、この69歳のおじさんを最年長に矢原川左股を渡渉したあたりから、薄い踏み跡に引かれるように、なぜか三角点峰「西岨482.1m」へとしばし向かってしまったのでございます。
沢から離れることしばし、気がついて復帰するも20分ほどのロスでございました。
先頭を歩くも早すぎるという後方の声に、ペースダウンすることしばしで、私のペースが速いなんぞというのは、いったいいつもはどんなペースで歩いているのやら。
一の滝にたどり着けば右岸は切り立った岩の壁でございました。貴殿推奨のモンベルのフロートロープ9mm×20mで2ピッチの巻き上がりでございました。
通常であればひょいひょいと行くところを、しっかりやらせていただきました。
ハーネスを持参していないものにはシュリンゲ2本で簡易ハーネス(チェストハーネス合体型)を作成する講習会まで行ったのでございます。
幸い、事前の脅しが効いたのかメンバーはまじめに受講してくださいました。シュリンゲ、カラビナ、ある女性はハーネスまで購入しての参加でございました。
もうこうなってくると、難路通過の講習登山でございます。すでにこの時点で頭の中から仙の石はどこかに飛んでいって、消えてしまったのでございます。
こんなことしていたのでございます。

- ザイルダウンダンスザンス
ビレイしていると一人が足を滑らせテンションがグンときました。やっぱりこのメンバーには確保は必要であったと痛感した次第でございます。
さらにこの恐ろしいGPSの軌跡をご覧ください。小一時間かかっております。

- 恐怖の停滞
やっとのことでたどりついた下不動滝ではさすがにメンバーも歓喜の声を上げたのでございます。
ここでも巻き上がりの際に、20mのフィックスロープで途中にランニングを取り、カラビナを架け替えの講習を2回ほどやったのでございました。
やっとのことで下不動滝をあがり、時計を見れば12時過ぎでございます。ランチをとりながら考えるに南尾根不動祠より石谷川に下山を決めたのでありました。
そこに天女様よりの携帯電話が鳴ったのでございます。
サプライズを計画していただいたのも面目なく、時間切れ敗退を覚悟しておりましたが、とにかく法印のコバまでは行かなきゃなりません。
法印のコバでおまいりをして、南尾根に取り付こうとしたまさにその時、竜神様のお声が聞こえてまいりました。
さらに高い尾根から天女が舞い降りてくるではありませんか。
なんと神々しいお姿にメンバー一同手を合わさずにはおられませんでした。
あとは竜神様と天女さまのお導きにより、タカノス尾根を駆け下りたのでございます。
それがまたなんと不思議なことが起こったのでございます。降り立ったところは左股と中股の合流点でございました。茶畑は目の前でございます。
メンバー一同、神の降臨かとあらためて手を合わせたのでございました。
さらに不思議なことがございました。一同の者が茶畑に向かう頃気が付けば竜神様も天女さまも忽然とお姿を消されたのです。
ありがたやありがたやと一同ひれ伏し、法印のコバに現れた竜神、天女様に感謝の一日でございました。

- 天女に導かれる信者一同
○○こと通風山