【日付】2025年1月5日(日)
【山域】比良/小椋栖山(蛇谷ヶ峰西峰)
【ルート】朽木大野集会所🅟7:22-11:45小椋栖山12:30-植谷峠-高乗寺-16:35大野集会所🅟
【天候】晴れ、一時霧
【同行】単独
今年は巳年。「巳」がなぜ「蛇」になるのかわからないが、新年初山は干支に因んだ名前の山にでも…、と安易に決めていた。頭に浮かんだのが比良山系最北端の蛇谷ヶ峰。ちーたろーさんには先を越されてしまったが、山頂から見下ろす白蛇さんに家内安全、疫病退散をお願いしてこよう。
と、ターゲットは決まったが、ルートをどうしよう。正月休みの最終日、朽木の「想い出の森」からは干支の山詣での善男善女で賑やかすぎるかも? ならば未踏のルートで…。

- 大野集会所からスタート
R367の桑野橋近くから小椋栖山経由で蛇谷ヶ峰への西尾根ルートは市販図にも載っていて登山者も多いだろう。私の足ではノートレの雪山を一人ラッセルする余力はない。市杵嶋神社から薄い残雪の舗装林道を歩き出すが、先行者の靴跡は一人分のみ。林道終点で出会った休憩中の登山者のものだった。
登山道に入り積雪も増えだしたのでスノーシューを履く。
この尾根は一昨年に横谷峠からの尾根から蛇谷が峰に来たとき、一度は歩いてみたいと思っていた。そして今回、下りは横谷右岸(植谷左岸)尾根の植谷峠から大野へのルートを周回することにした。登下山ともに未踏ルートである。とくに下山ルートは登山者もネット情報も少ない。しかし植谷峠から大野へは古い地図には破線が引いてある。雪が乗った今なら夏場より歩きやすいかも知れない。

- 小椋栖山山頂
さて、何回かの登り返しに息を切らせながら電波反射板のある小椋栖山到着はお昼前になってしまった。前方から人声が聞こえてくる。隣の蛇谷ヶ峰山頂からだ。登山者も次々やってきた。「干支の山へ」が今回のモチベーションだったのだ。白蛇さんにもお目にかかりたいし…、ちょっと迷ってしまう。

- ガスの晴れ間に蛇谷ヶ峰を望む
その時いきなりガスがかかり、今まで目の前にあった蛇谷ヶ峰がベールに包まれてしまった。これでは行っても白蛇さんは拝めない。ここからピストンすれば1時間近くはかかりそうだ。ランチ時間も考えたら無理は禁物。未踏の下山ルートは長そうだし…。
決断すれば逃げ足は速い。ランチは反射板の近くで風を避けてコーヒーとパンで済ませ、鉄骨の傍から南に延びる尾根に入る。
あれ? スノーシューの踏み跡が続いている。これは驚きだ。ポピュラーな往路の西尾根はノートレだったのに…。想定外だったが嬉しい誤算だ。いや、待て、トレースは途中までかも知れんぞ? そういえば踏み跡は往復している。未知の領域への不安は消えない。

- 釣瓶岳と重なる武奈ヶ岳

- 稜線からの琵琶湖
正面に秀麗な山並みが。蛇谷ヶ峰から武奈ヶ岳へ続く比良北稜のラインナップ。頂点は重なり立つ釣瓶岳と武奈ヶ岳の雄姿だ。山並みの奥には琵琶湖の湖面ものぞく。眺望を独り占めしながら・792pまでの長い尾根は大きなアップダウンもなくシュー歩きを満喫できる。ただ、枝尾根の分岐を間違えるとルートロスしてとんでもない谷に誘い込まれるから要注意。スマホGPSで確認しながらの下り。幸運にもトレースは予定ルート上を外さず続いている。
・816pを過ぎ、植谷峠と思われるあたりでひと休み。振り返ると小椋栖山から蛇谷ヶ峰が樹木の隙間から望めるが、ガッカリするほど高度は変わらない。もう1時間も歩いてきたのに…。この先も・792pまではノタノタと緩い登り下りの尾根が続くのだろう。
尾根は・792pの先から村井への尾根と分かれるが、トレースは右へ続いている。どうやら最後までまっすぐ大野へ下れそうだぞ。

- 巨杉
平坦なだけに距離は長い。足元の雪は途切れ気味だ。さらに植林帯に入ると踏み跡もはっきりしなくなる。10数年前の4月、北陸の山で残雪の未踏ルートを下っていて、踏み跡が途絶えてコースアウトしたことが頭をかすめる。あんな体験はコリゴリだ。
やがて左から安曇川の水音と車の走行音が大きくなってきた。右の植谷左岸から墓石柱が並ぶ高乗寺の横に降り立つ。疲れた足を引きずって10分ほどで駐車地へ帰還。
干支の山へ初詣…との安易な考えは破綻したが、気になっていたルートを周回できたのは大きな収穫だった。大野-植谷峠の古道は、手元にある「山と高原地図」(2004年版)にはすでに消えているし、地形図にも破線すらない。しかし、帰ってからネット検索するといくつかレポを見つけた。植谷峠から南東に下り横谷源流をトラバースすれば須川峠(ボボフダ峠)を経て高島の畑集落へ出られる。往時は高島と朽木を結ぶ暮らしの道だったのだろう。
この辺り、体力と相談しながら、また彷徨してみたい気にさせられた。
~びわ爺