【日時】2011年7月日(土)
【山域】白山
【天候】晴れ/曇り
【コース】
大白川 5:50---地獄谷入渓地点 6:20 --- ゾロ谷ヤケ谷出合 7:0 --- 雪渓末端(1,600m地点) 8:15
--- 斜瀑(2,100m地点)10:55--- 13:00 雪渓最上部(2,400m地点) 15:30 ---大倉山 16:20--- 大白川 17:50
先週のゾロ谷、上部の雪渓ではどこを詰めて上がろうか大いに迷った。
結果的にはグッドなルートとなったが、ゾロ谷本谷とも言うべき谷筋の奥へ続く雪渓が気になって仕方ない。
その雪渓を登り詰めてみたいという衝動を抑えきれず、今週もまたゾロ谷へ入ってしまった。
ボーナスの入ったお父さんたち、夜のネオン街へ繰り出してとなりの同僚についた女の子が気になって仕方がない。
そして、次の週末も同じ店へ出かけてしまうアレと同じ理屈だ。

- ゾロ谷雪渓より白山主稜線東面を仰ぐ
梅雨が明けて1週間過ぎた地獄谷の水量は落ち着いていた。
ゾロ谷入口では少しシャワーを浴びてやろうと思ったら全身ずぶ濡れ、おまけにドボン。
ザックはそんなつもりでパッキングしてないのだ~
雪渓末端は先週より30mほど後退しているが、崩落はまだ起きていない。
ずぶ濡れ状態のままで上がった雪渓の上は寒い、ブルブル。
強い日差しが欲しいところだが、今日のゾロ谷雪渓はよくガスる。
初めてここへ来た時もよくガスってオロオロとしたものだが、3度目ともなればへっちゃらというもんだ。
大倉山のカッコーを下に聞くようになると、緑の草付と赤茶けた岩肌のコントラストのきれいな標高2,000mのオアシスとなった。
最初の支沢の雪渓はすでに賞味期限切れ、また来年のお楽しみにとっておこう。
二つ目の雪渓はたんぽぽ平へとつづく先週楽しませてもらった谷だ。
そして一番奥にあるのが会いたかったとなりのあの娘のゾロ谷本谷だ。
ゾロ谷本谷は二俣に分かれていて、右俣は20mくらいの斜瀑で雪渓はいったん途切れその奥に大きな雪渓が広がっている。
左俣は奥の様子が見えないが、サッカーボールくらいの落石が何度も落ちてくる。

- 滝をクリアすれば最終雪渓が待っているのだが・・・
斜瀑はなんとか登れそうに見えるが問題はどうやって滝に近づくかだ。
ゾロ谷は雪渓から離れると周囲の山肌には潅木が生えておらず、きれいに見える緑の草付と赤茶けた山肌は脆くて手も足も出ない。
滝には右から巻いて近づくことにした、15mくらい登ってトラバースできそうなところを探すがやはり一歩も足を出すことができない。
この辺りは昨年滑落して怪我をしたところで、その時とそっくりの状況下では否応なしにビビリが入ってしまう。
進退窮まってしまう直前で中断して雪渓まで戻ることにした。
今度は滝の左から近づけないか探ってみるが如何せん足元がもろ過ぎる。
こうなれば滑落か落石かの選択だ、意を決して左俣突入することにした。
沢靴から山靴、アイゼンに履き替え、雪渓上部から目を離さないようにして慎重に左俣に入っていく。
小さな落石は絶え間ない、嫌なことには雪渓が落ちてその幅が狭くなってくる。
雪渓が途絶えると、そこには堆積した岩石を雪渓上端部がダムとなって押さえていた。
雪渓が解ける度に岩が落ちていくというメカニズムだ。
途絶えた雪渓の上には沢水が樋状となって流れ落ちている。
右俣との間には登れそうな小尾根があるので進んでみることにした。
尾根に上がって右俣を覗き込めば斜瀑はもう遥か下だ。

- 脆い山肌に緊張が絶えない・・・左俣を見下ろす
決して安全とは言えない小尾根にアイゼンを利かせながら登っていく。
テガタチドリ、ニッコウキスゲ、イブキトラノオなど色とりどりの花々が現れて目を楽しませてくれる。
振り返って左俣を覗くとその向こうにたんぽぽ平が望める。
今日は苦労して登っているので、先週のたんぽぽ平はなんと穏やかな別天地だったのだろうと思えてくる。
しばらく進むとハイマツが現れた、いつもは厄介者のハイマツだが今はワラをも掴むではなくハイマツを掴む思いだ。
ほどなく右俣へ下れる斜面が出てきたのでスルスルと下って最終雪渓に出た。
厄介なものを全て覆い隠し、アイゼンとピッケルさえあればどんな斜面も登っていける雪渓の有難さを再認識させられた瞬間だった。

- 白水湖からの標高差1,200m、ゾロ谷が一望できる
一旦、気持ちにビビリが入ってしまうとなかなか抜けない。
いつもならダブルストックで登っていく雪渓もピッケルを取り出して登っていく。
標高差200mに及ぶ最終雪渓は長い、気がつけば斜度は35度オーバーか。
硬い雪面に慎重にステップを切ながら登っていく。
ステップを切るのに疲れ、アイゼンを雪面にそのまま置いて登っていたらツメが雪面から外れズルズルズル。
加速している間にピックを打ったので数メートルのズルズルで済んだ、ホッ・・・
もう疲れたぜよ~と心の中でぼやきながら登っているとようやく雪渓が切れた。
ハクサンチドリ、ミヤマダイコンソウ、コイワカガミ、アオノツガザクラなどが咲く絨毯が広がっている。
御前峰が望める雪の消えた草地は標高2,400m、苦労して登り詰めただけにここは天上の楽園としか思えない。
冷やし中華とアワワで満腹になったら今日もお昼寝タイム、ガスっているので昼寝にはもってこいの日和だ。

- ハクサンコザクラが優しい乙女のように迎えてくれた
どれくらい寝ただろうか、今日は一向に時間が気にならない。
GPSを持っていないので自分がどこで昼寝しているのか正確な位置すらわかってない。
登山者の鈴の音が時々聞こえるので登山道からそれほど離れていないようだ。
近くにある池まで行ってみようと思い、お花畑やナナカマドを掻き分け進んでいくとその池はすぐに姿を現した。
池の外周は40mくらいで地図の表記ほどの大きさはないだろう。
昼寝ポイントまで戻ってくるとガスが晴れて白水湖からゾロ谷源頭まで標高差1,200mが一望できた。
ゾロ谷雪渓のほぼ全貌が見渡せると感慨がこみ上げてくる。
さて、昨日から白山に入っているBiwa爺ちゃまは今頃どこを歩いているだろう。
平瀬道ピストンのPanaさんはもう下っただろう、自分も平瀬道を下るとしよう。
予定時刻に大白川まで戻り、お風呂に入れば今日も充実の一日が無事終了した。
ゾロ谷の残雪はまだまだ豊富、たんぽぽの雪遊びはいつまで続くのだろう。