2016年4月2日(土)曇り時々晴れ 養老山地 単独
井口山取付き4:40ー777.4m三角点(奥山)6:40ー養老山頂8:50ー川原越9:50ー
二ノ瀬越11:40~12:20ー田代越14:15ー石津御嶽15:10ー多度山頂16:40ー多度大社17:30
幼い頃から生活の中の風景として溶け込んできた養老山地。南北に長く延びる山塊を何時の頃からか縦走したいと思うようになった。
その内、身近に縦走する人が何人か現われた。たろーさんは数人のパーティで養老公園から一日で多度山頂まで。りゅうさんはテン泊装備で北部の沢田からのぞみ一日で歩ききっている。そばつるは同じく沢田から津屋小屋で一泊。豪勢な料理と多量のアルコールを持っての宿泊だったらしいが両日ともヘトヘトになったとか。
羨ましいながら先を越された、という思いが拭えない。それならば僕は一日で北端から南端まで縦走することにしよう。この思いつきにとらわれ計画に熱中した。ルート上の分からないところを下見する事、数回。いよいよ機は熟した。日がそこそこ長く気温が高くないこの季節のうちに実行しよう。4月2日は天候的にも打ってつけの日となった。
取り付く地点は自宅から約10分、養老山地の北端が牧田川に接する辺り。県道沿いに駐車して暗がりの中を出発。
鉄塔の立つ小高い丘を鉄塔巡視路から登る。井口山というらしい。そこから養老山地最北端の三角点である沢田(99.6m)に向かう。まずはここを訪れてから縦走するというのが今回の外せないポイントだ。
途中、左下にそれていく巡視路からはなれて尾根沿いを行くも意外と地形が複雑だ。暗がりでは不安でGPSで位置を確認。下見の時に確認した地形図にない鉄塔が現われた。そこから東に下った辺りに目的の三角点がある。
三角点を後にして先ほどの鉄塔に戻り植林の緩斜面に進む。左寄りに登っていき斜度が増したところで左にトラバースすると先ほどとは違う系列の送電線鉄塔巡視路に出る。かなり急登の巡視路だが道がないよりはマシだ。
巡視路に出ると展望が得られた。振り返れば南宮山麓を走る名神にテールランプが並ぶ。前方には薄明の中に浮かぶ鉄塔の列。
斜度が緩くなると巡視路は古い道型を辿っていく。鉄塔下は伐採されて無粋な感じだが少し離れると樹林の中を歩けて気持ちいい。よく踏まれているところを見るとかつて繁く利用されていたのだろう。この辺り、石塚のような小さな盛り上がりが散見できる。何だろう。
やがて巡視路からわかれるが相変わらず古い道型が続く。テープの目印があるので安心感がある。
標高400m~450m辺りは少し地形が複雑だ。しかし下見済みなので迷う事はない。途中に通る窪地のシロモジは秋にはいい感じだった。
左手に地形図にない林道が現われるがこれは左に大きくトラバースしていく。ここは尾根筋の植林斜面を登っていくのが早い。登りきると標高590m辺りで林道に出る。
更にその先の斜面を登っていけば660.2m三角点(点名:沢田村)だ。体力的、時間的な関係でここには寄らないでおこうと思っていたがここに至って欲が出てきた。寄れそうな三角点は全て寄っていこう。

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沢田村を後にして林道に出る。稜線上を歩いていくより時間が稼げる。
標高690m辺りで林道をはなれ沢筋の踏み跡を辿り急斜面を登っていくと林の中にカレンフェルトが点在する台地に出る。777.4m三角点(点名:奥山)は台地の端だ。
奥山から次は裏山に向かう。再び林道に出てしばらく、右に屈曲した地点から左手の穏やかな沢筋に入る。少し行くと斜面に小さなドリーネがあった。えくぼのようで可愛らしい。

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沢を詰めて845Pに登り更に鞍部を経て裏山へ。久し振りに訪れた山頂は荒れた感じだった。十数年前訪れた時はこんなではなかったと思うのだが。
裏山の南東にある表山は鞍部を越えるのがきつそうなので訪れるのはよそうと思っていたのだがこの際だから寄る事にした。
急斜面を下った鞍部辺りは様変わりしていた。密生して漕ぐのに苦労した笹が全くなくなっていて楽々歩けた。鹿害の所為なのか、それとも周期的なものなのか。
表山からの下りは全行程中で一番の難所と言えるかもしれない。薮が出ていて更に踏跡が薄い。目印があるが尾根を外してしまった。
もみじ峠で登山道に出るとホッと一息、と言いたいところだがここからの稜線登山道はアップダウンが続く。スタートから飛ばしぎみだった身体にはきつい。小倉山までは休まないと思っていたがたまらず途中で休憩。
何時もじっくり展望を楽しんでいる小倉山はあっさりと通過。青空は出ているものの靄っていて展望は良くなかった。それでも表山、裏山は見えた。随分遠く感じた。

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展望がなく、取り立てて言うところもない養老山頂だが養老山地唯一の一等三角点で笙ケ岳につぐ標高でもあるから外せない。その後は小刻みなアップダウンが続く。左膝に痛みが出てきた。誤摩化しながら歩くが最後までもつのだろうか。
途中の津屋避難小屋は外装がやや古びてきたものの健在。中も綺麗で何時でも泊まれそうだ。周りがもっと鬱蒼とした感じだと思っていたのだがやけに明るい。この季節だからだろうか。
川原越までほぼ計画通りの時間で到着。少し休憩をとる。このまま順調にいってくれれば陽のある内に多度山頂に着けるのだが。

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志津山への急斜面は相変わらずきつい。三角点に向かう斜面への分岐点にやたらとテープの目印がしてあった。下見した時はなかったと思ったのだが…。
志津山から先は下りがやや長い。膝に響く。
しばらくすると右手にまだ真新しい林道が近づいてきた。しかしここは林道に下りないでそのまま進む。やがて登山道脇に557.5m三角点(点名:祖古谷)が現われる。うっかりすると見逃してしまいそうだ。
ここを越えてわずかで登山道は左へ下っていく。ここは稜線上をそのまま進んでいく方が効率がいい。しっかりとした道もあるので問題はない。脇には林道が通っており途中利用した。
送電線手前の二俣を左に進むと更に先で道が分かれ左手に下っていく巡視路が予定ルート。559.7m三角点(点名:二ノ瀬)はこのルートより先の離れたところにあるが立ち寄った。展望も何もない三角点だった。
分岐点まで戻り巡視路を通って林道へ降り二ノ瀬越へ。途中に獣除けのネットが張られていたが所々穴が開いていて役にたっているのだろうか。
二ノ瀬越から南へ延びる悟入谷林道は入ってからしばらく間コンクリート舗装されている。道端に座り込んで休憩をとった。
その後林道は複雑な谷間を縫うように進んでいく。両手には植林帯が続く。しばらく行くと道が左右に分かれる。それに挟まれるような形の小高いピークに530.9m三角点(点名:奥谷)がある。植林の急斜面を登らなければならないのが辛いがここまで来たら寄っておきたい。
奥谷を訪れた後、ショートカットを狙って林道を離れ地形図上の点線路を進む。植林の中に踏跡を見つけ上手く進む事ができた。
582.9m三角点(点名:飯森)は林道からちょっと上がった平にある。近くの桜番所には御神木らしい立派な杉の大木が立っていた。

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桜番所を過ぎて林道を進んで行くと思わぬ恵みに出会った。道路脇の斜面から水がこんこんと流れ出ている。冷たくてほてった身体にありがたかった。
田代越の639.5m三角点(点名:鎌知土)はちょっと離れていてどうしたものかと思いつつも立ち寄る。
この辺りには二つの大きな池がある。田代池は濁っていて以前より規模が小さくなった感じだった。榑沢池は大きくて見栄えがする。数羽の鳥が泳いでいた。
少し先の鞍部で林道から離れて急斜面を登り再び稜線上の登山道を歩く。アップダウンはあるが前程きつくない。やがて石津御嶽・奥の院を過ぎ石津御嶽神社に出る。三角点は更に先の社務所から下りたところにある。
社務所から南に進んでわずかで舗装された林道に出る。前方には赤と白に塗り分けられた巨大な電波塔がそびえ立つ。途中にはハンググライダーの飛出し台があり見晴らしが良かった。
電波塔を過ぎると再び稜線上の登山道を歩く。アップダウンが小さく歩きやすい。512.7m三角点(点名:多度)は登山道から少し離れたピークにあった。傍らには多度山会によって三角点の内容を表記したパネルが立てられていた。
少し先で道は二手に分かれる。右は沢沿いを下り左は尾根沿いを行く。時間的には右が早いようだが送電線鉄塔からの見晴らしがいいと書いてあった左に進む。確かに見晴らしは良かったが天候が良くない。予報よりも雲の出だしが早い。
その後に続く登山道はよく踏まれていて歩きやすい。稜線上がこんもりと盛り上がって廊下のようになったところもあって楽しい。ただ両脇に林道が見えるのが何とも惜しい。
再び林道に出て少し長く下っていくと電波塔が幾つか見えてくる。そのあたり、左脇の小高い丘に上がったところが多度山頂。満開寸前の桜が縦走達成を祝うように迎えてくれた。不安だった左膝は痛みながらも何とかもってくれた。

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山頂は公園として整備されていて濃尾平野を見渡せる展望台もある。大勢の人が気軽に訪れる場所なのだろう。その傍らの三角点は居心地が悪そうだった。
下山は南北縦走感をより高めるため、そして完遂の感謝をするため多度大社に向かう事にした。このため愛宕神社への登山道を下った。健脚向きと記された登山道は膝に負担がかかり涙ものだったがなんとか粘って愛宕神社を経て多度大社に到着。トイレで汗のしみた服を着替え参拝した。境内は人気が少なく静かで心が洗われる思いだった。

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帰りは養老鉄道を利用。多度駅まで痛い足を誤摩化しながら歩いていく。
途中途中、街を飾る桜が目を楽しませてくれた。念願の縦走を達成できた充実感に満たされなんだか楽しい帰り道だった。
歩行距離 39.5km(多度大社まで)
行動時間 12時間50分
訪れた三角点 14基