台高主稜線の東側には大杉国見山やウグイ谷高などの名峰があるが、いずれもガイドブックに紹介されていないため登る人は少ない。これらの山々の南にひときわ目立って見える山が嘉茂助谷ノ頭である。登ってみたいと思いながらなかなか行く機会がなかった。沢シーズンもひと段落して、紅葉を愛でながら山歩きをするにはいい季節になった。どうせ行くなら大台ケ原までの稜線歩きも見逃せない。テントを担いで久しぶりに稜線歩きをしてみようか。
なお、この山行にあたってはzippさんに水場、テン泊適地、周回コースなどいろいろな情報を教えて頂きました。ありがとうございましたm(__)m
【 日 付 】2013年11月1~2日(金・土)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】1日:晴れ;2日 晴れのち曇り
【 ルート 】
1日:花抜峠登山口 7:35 --- 9:15 花抜峠 --- 10:40 嘉茂助谷ノ頭 --- 10:50 与八郎高 11:15 --- 11:20 苔の辻 --- 12:30 P1260西南の鞍部(昼食) 13:10 --- 13:15テン泊地
2日:テン泊地7:10 --- 8:00 地池高 --- 8:50堂倉山 --- 9:20 尾鷲辻 9:30 --- 9:50堂倉山 --- 10:30地池高 --- 11:20 テン泊地 12:20 --- 13:25苔の辻 --- 14:15花抜峠 --- 14:25 P1037(花ノ木山) --- 15:20 千尋トンネル北口 --- 15:45花抜峠登山口
11月1日(金)
天気予報では3日は雨模様なので、金曜日に休みをとって平日がらみの山行にした。登山口までは大台林道の長いダート走行になるので、パンクした時のためにスタッドレスタイヤを一つ積んで行く。林道途中で落差100mを越えそうな大きな滝が見える。地図で確認すると小木森滝というのだろうか。垂直の崖を大量の水が流れ降ちている様は遠くからでも迫力をもって眺められ,暫く見とれてしまう。

- 小木森の滝?
花抜峠登山口と書かれたくいのある路肩に車を止め準備をしていると3台の車が通り過ぎていく。作業の人たちのようだ。谷に降り、道型をたどってしばらく谷を歩くと10mほどの滝に出た。あちゃ、またやっちゃった。沢登りの癖で何も考えないで歩くとそのまま谷中を歩いてしまう。5分ほど戻ると山腹に道が付けられているのが見えた。
あとは杣道をたどってゆく。ゆったりとした一定こう配の歩きやすい道だ。昔の人は一番歩きやすいルートの取り方を知っていたんだねえと感心してしまう。ところどころ崩れているところにはトラロープが張ってある。どなたかが整備してくださっているんだねえ。

- 歩きやすい杣道
1時間半ほどで花抜峠着。

- 花抜峠
ここからは稜線,山腹道どちらでもとれるようだが,山腹の杣道が歩きやすそうなのでまずは杣道を行く。しかし,谷筋では道がなくなっているので,適当に稜線に戻ったりしながら歩いて行く。どちらにしても急坂はないので歩きやすい。嘉茂助谷の頭と杣道の分岐では山頂直登コースを行く。最初は適度な傾斜で良かったのだが,傾斜が増すにつれてテン泊装備が堪えてくる。南西峰(与八郎高)との鞍部に登り,ザックを置いて山頂を目指す。と言っても,鞍部から2,3分くらいのもんだけど。山頂は眺望がないので,南西峰(与八郎高)に行って一休み。ここまで3時間かかっている。予定では2時間か2時間半程度と見積もっていたので,ちょっと遅い。南西峰からはこれから歩く稜線が一望にできる。アップダウンの少ない歩きやすい稜線のようだ。残念ながら尾鷲方面は霞んでいてよく見えない。PM2.5の影響なのだろうか。

- これから歩く予定の稜線
南西峰を降りるとヒメシャラ,ミズナラ,ブナなどが混じったすてきな疎林に出る。

- 素敵な疎林
さらにその先にはやわらかい苔に覆われた野原が現れる。zippさんは苔ノ辻と呼んでいるようだ。

- 苔ノ辻
ここから先ものっぺりした幅の広い稜線が続いていてどこでも歩けるので,楽しい散歩道が続く。どこでも歩けるということはそれだけ迷いやすいということでもある。のっぺりしたピークからはどちらの方向にでも歩いて行けそうで,うっかりすると変な方向に歩いていたりする。どうも私のような未熟者はGPSのお世話にならないとこのルートは正しい方向に行けないようだ。2日間とも度たびGPSのお世話になることになった。平坦部が多いので,水場さえあればどこでもテン泊適地だなと思う。

- どこでも歩けそうな稜線
苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。
台高縦走路には霧ノ平,ブナの平,引水サコや私が大好きな添谷山などのテン泊適地があるが,ここはそれに勝るとも劣らないすてきな所だ。まず第一にテン泊地のすぐ横にせせらぎが流れている(せせらぎであることが重要)。周囲はなだらかな斜面になって,テントを張る平坦地もあり,気持ちのいいブナ林だ。何と言っても人の気配がないのがいい。イノシシの気配はいっぱいあるけど。それにここだったらたき火をしても誰にも怒られることはないし。

- テン泊地のせせらぎ
でもまだ1時半だし,さっきお昼を終わったばかりだ。予定では堂倉山で泊ることになっているし,このペースだったら3時頃には堂倉山に着けるだろう。でも,ここを見逃したら一生後悔するような気がする。ここからのコースタイムは堂倉山まで1時間半程度,尾鷲辻まで行っても2時間ほどだろう。明日の朝ここを出発しても日出ヶ岳まで行かなければ午前中にはここに戻ってくることができる。明日中に下山することは可能だ。一瞬迷った後,ここでテントを張ることにする。
決断すると早い。早速テントを張り,たき火用の枯木を集めて2時頃からのんびりたき火をして過ごす。たき火をしていると20mほど向こうに大きなイノシシが現れた。イノシシの水場になっているようだ。私の姿を見ると悠然と姿を消した。先週の続きの小説を読み,夕方にはすき焼きと熱燗で一杯。やっぱりこんなまったりテン泊が自分には似合っていると思う。適度に酔っぱらってきたので,8時頃には寝袋に潜り込み寝る。もちろんやわらか湯たんぽを使ったが,今日は3季用の寝袋を持ってきたので,湯たんぽなしでも十分に暖かかった。
寝ているとテントの近くでイノシシの鳴き声がする。すき焼きの残り汁が入った鍋を外に出しておいたので,その匂いに引き寄せられてきたようだ。ヘッドランプを当てると逃げて行った。鍋をテントに入れ,また寝直す。
台高主稜線の東側には大杉国見山やウグイ谷高などの名峰があるが、いずれもガイドブックに紹介されていないため登る人は少ない。これらの山々の南にひときわ目立って見える山が嘉茂助谷ノ頭である。登ってみたいと思いながらなかなか行く機会がなかった。沢シーズンもひと段落して、紅葉を愛でながら山歩きをするにはいい季節になった。どうせ行くなら大台ケ原までの稜線歩きも見逃せない。テントを担いで久しぶりに稜線歩きをしてみようか。
なお、この山行にあたってはzippさんに水場、テン泊適地、周回コースなどいろいろな情報を教えて頂きました。ありがとうございましたm(__)m
【 日 付 】2013年11月1~2日(金・土)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】1日:晴れ;2日 晴れのち曇り
【 ルート 】
1日:花抜峠登山口 7:35 --- 9:15 花抜峠 --- 10:40 嘉茂助谷ノ頭 --- 10:50 与八郎高 11:15 --- 11:20 苔の辻 --- 12:30 P1260西南の鞍部(昼食) 13:10 --- 13:15テン泊地
2日:テン泊地7:10 --- 8:00 地池高 --- 8:50堂倉山 --- 9:20 尾鷲辻 9:30 --- 9:50堂倉山 --- 10:30地池高 --- 11:20 テン泊地 12:20 --- 13:25苔の辻 --- 14:15花抜峠 --- 14:25 P1037(花ノ木山) --- 15:20 千尋トンネル北口 --- 15:45花抜峠登山口
11月1日(金)
天気予報では3日は雨模様なので、金曜日に休みをとって平日がらみの山行にした。登山口までは大台林道の長いダート走行になるので、パンクした時のためにスタッドレスタイヤを一つ積んで行く。林道途中で落差100mを越えそうな大きな滝が見える。地図で確認すると小木森滝というのだろうか。垂直の崖を大量の水が流れ降ちている様は遠くからでも迫力をもって眺められ,暫く見とれてしまう。
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花抜峠登山口と書かれたくいのある路肩に車を止め準備をしていると3台の車が通り過ぎていく。作業の人たちのようだ。谷に降り、道型をたどってしばらく谷を歩くと10mほどの滝に出た。あちゃ、またやっちゃった。沢登りの癖で何も考えないで歩くとそのまま谷中を歩いてしまう。5分ほど戻ると山腹に道が付けられているのが見えた。
あとは杣道をたどってゆく。ゆったりとした一定こう配の歩きやすい道だ。昔の人は一番歩きやすいルートの取り方を知っていたんだねえと感心してしまう。ところどころ崩れているところにはトラロープが張ってある。どなたかが整備してくださっているんだねえ。
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1時間半ほどで花抜峠着。
[attachment=2]P1040598.jpg[/attachment]
ここからは稜線,山腹道どちらでもとれるようだが,山腹の杣道が歩きやすそうなのでまずは杣道を行く。しかし,谷筋では道がなくなっているので,適当に稜線に戻ったりしながら歩いて行く。どちらにしても急坂はないので歩きやすい。嘉茂助谷の頭と杣道の分岐では山頂直登コースを行く。最初は適度な傾斜で良かったのだが,傾斜が増すにつれてテン泊装備が堪えてくる。南西峰(与八郎高)との鞍部に登り,ザックを置いて山頂を目指す。と言っても,鞍部から2,3分くらいのもんだけど。山頂は眺望がないので,南西峰(与八郎高)に行って一休み。ここまで3時間かかっている。予定では2時間か2時間半程度と見積もっていたので,ちょっと遅い。南西峰からはこれから歩く稜線が一望にできる。アップダウンの少ない歩きやすい稜線のようだ。残念ながら尾鷲方面は霞んでいてよく見えない。PM2.5の影響なのだろうか。
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南西峰を降りるとヒメシャラ,ミズナラ,ブナなどが混じったすてきな疎林に出る。
[attachment=4]P1040610.jpg[/attachment]
さらにその先にはやわらかい苔に覆われた野原が現れる。zippさんは苔ノ辻と呼んでいるようだ。
[attachment=5]P1040612.jpg[/attachment]
ここから先ものっぺりした幅の広い稜線が続いていてどこでも歩けるので,楽しい散歩道が続く。どこでも歩けるということはそれだけ迷いやすいということでもある。のっぺりしたピークからはどちらの方向にでも歩いて行けそうで,うっかりすると変な方向に歩いていたりする。どうも私のような未熟者はGPSのお世話にならないとこのルートは正しい方向に行けないようだ。2日間とも度たびGPSのお世話になることになった。平坦部が多いので,水場さえあればどこでもテン泊適地だなと思う。
[attachment=6]P1040614.jpg[/attachment]
苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。
台高縦走路には霧ノ平,ブナの平,引水サコや私が大好きな添谷山などのテン泊適地があるが,ここはそれに勝るとも劣らないすてきな所だ。まず第一にテン泊地のすぐ横にせせらぎが流れている(せせらぎであることが重要)。周囲はなだらかな斜面になって,テントを張る平坦地もあり,気持ちのいいブナ林だ。何と言っても人の気配がないのがいい。イノシシの気配はいっぱいあるけど。それにここだったらたき火をしても誰にも怒られることはないし。
[attachment=7]P1040624.jpg[/attachment]
でもまだ1時半だし,さっきお昼を終わったばかりだ。予定では堂倉山で泊ることになっているし,このペースだったら3時頃には堂倉山に着けるだろう。でも,ここを見逃したら一生後悔するような気がする。ここからのコースタイムは堂倉山まで1時間半程度,尾鷲辻まで行っても2時間ほどだろう。明日の朝ここを出発しても日出ヶ岳まで行かなければ午前中にはここに戻ってくることができる。明日中に下山することは可能だ。一瞬迷った後,ここでテントを張ることにする。
決断すると早い。早速テントを張り,たき火用の枯木を集めて2時頃からのんびりたき火をして過ごす。たき火をしていると20mほど向こうに大きなイノシシが現れた。イノシシの水場になっているようだ。私の姿を見ると悠然と姿を消した。先週の続きの小説を読み,夕方にはすき焼きと熱燗で一杯。やっぱりこんなまったりテン泊が自分には似合っていると思う。適度に酔っぱらってきたので,8時頃には寝袋に潜り込み寝る。もちろんやわらか湯たんぽを使ったが,今日は3季用の寝袋を持ってきたので,湯たんぽなしでも十分に暖かかった。
寝ているとテントの近くでイノシシの鳴き声がする。すき焼きの残り汁が入った鍋を外に出しておいたので,その匂いに引き寄せられてきたようだ。ヘッドランプを当てると逃げて行った。鍋をテントに入れ,また寝直す。