2013年8月10日(土)~11(日) 晴れ
奥美濃 西ケ洞~ドウの天井~日河原洞 SGさん、兔夢

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8月10日
5:50 川浦林道車止め → 6:45 西ケ洞出合 → 8:20 大釜 → 10:00~20 大ヤマタ出合 → 11:40 大ヤマタ大滝 → 12:50 二俣(泊地)
8月11日
6:00 二俣 → 8:50~9:35 ドウの天井 → 9:55 日河原洞下降点 → 12:40 40m大滝 → 15:25~45 日河原洞広場 → 17:10 川浦林道車止め
ずっと温めていたルートだった。数年前、単独でのぞんだ時は川浦谷の流れに拒まれた。昨年は機会を狙いつつもついに実現できなかった。
今年こそという思いは年明けから持っていた。しかし難ルート故簡単には行けない。良好の天候と日程の余裕が欲しい。幸い今年のお盆前後は晴天が続くようだ。ここに狙いを定めて気持ちを高めた。
ひょんな事からSGさんが8月10日、11日の行き先が決まっていない事を知った。すかさず西ケ洞に行きませんかと誘いかけ畳み掛けるように計画書を送った。一人では不安が拭いきれない中でSGさんの同行は心強いものとなった。
8月10日
一昨年のOSKの記録を参考に6時に新深山トンネル西口を出発する計画にした。朝が慌ただしくならないように板取温泉の駐車場で前泊。
早朝、川浦谷に向かうと新深山トンネル東側の車止めが下りていた。崖崩れのためらしい。手前にある駐車場に車をつけると停めてあった車からSGさんが出てきた。ここで前泊してもう一台の車の人達と飲んでいたという事だ。その人達は川浦谷の本流を遡行するらしい。
予定では新深山トンネル西口に車を停めるはずだったが通行止めではしかたない。ここから歩いてもわずかだろうと出発した。
20分程で西ケ洞出合への降り口についた。なんだか以前と違うなあと思いながら下っていく。やがて何が違うのかが分かった。
以前は不安定ながらも利用できた足場階段が崩れてしまって影も形もない。従って崖のような急斜面を立ち木を頼りにして下らなければならなかった。最後は安全のためロープを出して西ケ洞出合に下りた。
週初めの大雨で川浦谷本流の水位が気になっていたが出合からわずか上流で難なく渡渉する事ができた。心配していた第一関門を突破して気持ちは軽くなった。
出合の渕を半身浸して越えていくとしばらくゴーロが続く。その中の青々とした瀞場が目を楽しませてくれる。
枝沢にかかる滝を見ながら進んだ先の左岸に入口を塞がれたトンネルが現れる。かつて西ケ洞にダム建設計画が進んでいた頃掘られたものだ。このトンネルが再び使われる事がないよう祈りたい。
ここから先、両岸が立ちゴルジュの様相を呈してくるとすばらしい渓谷美が次々と展開される。エメラルドグリーンの渕はどこも背が届かないくらい深い。
泳ぎの得意な人ならその中を悠々と泳いでいくのだろうが生憎僕もSGさんも泳ぎは苦手。時折現れるフィックスロープに助けられながらへつったり胸まで浸ったりを繰り返し進んでいく。
美しいのは本流の流ればかりではない。左右の枝沢にかかる滝も姿がいい。その飛沫に朝陽が当たり輝いていた。
この谷の圧巻は何と言っても大釜だろう。左岸の棚を進んだ先、足下に現れる深々としたエメラルドグリーンの大釜にしばし我を忘れ立ち尽くす。奥に巾広の4m滝がかかっているがそれが滝に見えない。

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大釜より奥には左右に岩壁が立った深々とした渕が現れる。右岸から巻いて出た棚から見れば水面が朝陽に煌めいて美しい。
更に幾つかの瀞場を越えてゴーロが続くようになると右岸の樹林が近づきやがて大ヤマタの出合に至る。広々としてキャンプ向きの出合だ。
出合から20分程で大ヤマタ大滝が現れる。2段になっていて落差は20m程だろうか。前回見た時より水量が多く豪快に見える。ここは左岸の草付きを登って程よいところで小尾根を乗っ越し反対側に下りる。途中、少しいやらしいところがありロープを出した。

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以前大滝を越えた時に上部に見た8mほどの滝越えがネックになると思っていたがそれもついでに巻いてしまったようで巨岩帯を越えた後はしばらく穏やかな流れとなった。
不図見た右岸に人工的な石組みがありSGさんと顔を見合わせた。滅多に人が訪れられるところではない。いったい誰が何のための作った石組みなのだろう。
疑問符を抱きながら奥に進むと谷が狭まり小滝が現れる。何れも巻く事なく進んでこのままテン泊予定地の二俣に到着かと思いきや直前に10mの大滝が現れた。直登は無理で左岸の草付きから巻いた。降り立った辺りがちょうど二俣だった。
二俣の台地はよくテン泊に利用されるのか整地されたようになっていた。その中の特に良さそうなところにチェルトをそれぞれ張って今夜の寝屋を確保。その後、早い時間ではあったが焚火を囲んで四方山話。猛暑続きの夏を忘れて時を過ごした。
8月11日
二俣からしばらくは左右に樹林が広がり穏やかな中を進む。見上げれば樹間には青空が広がっている。今日もいい天気に恵まれるようだ。
やがて前方に壁が見えた。見るからに険悪そうなゴルジュの入口。果してその先には2段8mの滝。フルシャワー覚悟ならなんとか越えられそうだが…。
正面突破でしょう、というSGさんの言葉に覚悟を決めて直登開始。岩を避けながら上段に乗っ越す部分が際どかったがなんとか登りきりほっと胸を撫で下ろす。ロープを出そうかと準備をしている間にSGさんも登ってきた。

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奥の多段8mは左側を問題なく越え二俣に出て右に進んでいく。
一旦穏やかな樹林帯に出てほっとする。再び谷が細くなると奥に7mの直瀑。下部はひな壇状だが上は壁で登れない。左岸草付きを巻く。
以降、滝は姿を消して徐々に源流部の様相を呈してくる。その中にドウの天井への直登沢と思しき沢筋を見つけ入っていく。
時折薮がかかっているものの概ね歩きやすい沢筋でぐんぐん高度を稼ぐ。途中、2回程枝分かれしておりSGさんと相談の上何れも左へ進む。しかしこれが悪かった。最後に薮急斜面を登りきって出たところは山頂より南の尾根筋だった。ここからの薮漕ぎが大変だった。
息も絶え絶えに薮を漕いでいると尾根筋の左下に踏み跡を発見。後はこれを辿って山頂に出た。最後が散々だったが予定よりずいぶん早い登頂となった。
もやっていて山頂から見えるものはほとんどなくわずかに日永岳が確認できたくらいだった。日差しを避けて遊歩道をわずかに下ったところで休憩。コンクリート張りの遊歩道に寝転ぶと冷たくて気持ちよかった。
さてこれからが今回のルートで一番の核心といえる日河原洞の下降。しかし、時間が早いので気持ち的にはゆとりがある。
下降点まではきれいな舗装路を歩いて行くという安易さでまるで緊張感がない。
P1292とP1263の最低鞍部から下降開始。しばらく笹の激薮が続きしんどい。やがて出た沢筋はかなりの急傾で巻いたりして慎重に下っていく。
水流が出てきてわずかで滑滝が現れた。巻いて下りるとその下にも滑滝。ここは左右の草木に掴まりながら下りる。
下りたところで沢が合わさり下には巻けそうにない7m滑滝。流木に支点をとって懸垂下降。下にも3m、5mと続くがクライムダウンと倒木利用で下りた。
まだまだ続く滑滝群。多段30mは細木にシュリンゲで支点をとり一段懸垂下降したところで左岸の小尾根へトラバース。となりの沢に下りて一気に巻いた。
2段12mは上から見ると20mはありそうでロープをつないだが下から見れば30mロープ一本で十分足りた。
滑滝群が終わってしばらく穏やかな渓相になる。これで残るは以前に見た事のある25m滝のみだろうと思って下っていく。
次第に沢の水量が少なくなり滑床になってきたところで大滝が現れた。滝は沢の屈曲点にあり以前見たのと同じだ。しかし下から見た規模よりかなり大きく感じる。上から見ている所為だろうか。
懸垂下降するならロープをつないでだがそれでも届くかどうか怪しい。ここは懸垂を嫌って右岸巻きを提案。木々を掴んで急斜面を登っていく。かなり高度を上げたところで小尾根上に出て下り始めた。しかし先は樹木が立つものの崖のようなものだった。右手を見れば枝沢が見える。そこを目指して草付きの急斜面をトラバース。なんとか枝沢に出て本流に下りる。
大滝の下に立って見上げれば40mはありそうだ。懸垂下降なら途中の棚と樹木を利用してピッチが切れたようだ。

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以前見た時に感じた登れそうな雰囲気がない。果してこれが本当に以前見た滝なのだろうか。屈曲点にある事は同じだが。
疑問符をたくさん並べながらゴルジュを下っていく。このゴルジュも雰囲気が違う気がする。そう思いながら進んでいくとその先に再び屈曲点らしいところが現れた。そしてそこにまた大滝がかかっていた。規模といい、雰囲気といいこれこそが僕が見た滝だった。
SGさんはもう悪場は終わったものと思っていたのにまた現れた大滝にウンザリ顔だ。流石に二人とももう巻く気は起こらない。ロープをつないで懸垂する事にした。しかし果してロープが下まで届くのか。
まずは様子見で僕が懸垂を始める。この滝は2段になっていて上の3mからは滝壺が見えない。滝壺の見える辺りまでいって確認。どうやらロープは下まで届いているようだ。
少し滑っている岩肌を下って無事懸垂。下からSGさんに大きく手を振る。どこかで8環をなくしたSGさんがATCで下りてきた。

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滝は見上げれば以前見た姿とまったく同じでなんとなく登れる雰囲気もそのままだった。やれやれこれで本当に悪場は終わった。後はゆっくり下っていけばいい…はずだったのだがゴルジュを下り始めてすぐフリーでは下りられないところがありロープを出す事に。流木等で以前とは様子が変わったようだ。
様子は変わったものの以降は特に難しいところもなく左右の切り立ったゴルジュを順調に下って行く。
ゴルジュを抜けてからは倒木のダムが目立つ川筋を下りて日河原洞広場に到着。後は眩いばかりの夏空のもと、時折虻に襲撃されながら舗装された林道を駐車地まで歩いていった。長い林道歩きだったが念願の日河原洞下降がかなった事で足取りは意外と軽かった。