【日 付】 2013年6月30日(日)
【天 候】 曇り後小雨
【山 域】 大峰
【メンバー】keikoku、kitayama-walk
【コース】 熊渡駐車地-白川八丁入口-釜滝-クルミ谷出合-一ノ滝吊橋-三ノ滝-滝見平(仙人嵓前テラス)-
ザンキ平の肩-河原小屋跡-桶ノ谷出合-聖門ノ滝-狼平避難小屋-大黒岩-弥山-弥山小屋-聖宝ノ宿跡-
弁天ノ森-トンネル西口出合-行者還トンネル西口(登山口)
http://kitayamawa.exblog.jp/20737201/
6月末から7月初旬にかけて、大峰山脈の中心部である八経ヶ岳・弥山はオオヤマレンゲ(天女花)が開花することで
有名でたくさんの登山者がやってくるが、その大半は行者還トンネル西口の登山口から奥駈道経由で登ってくる。たく
さんの登山者の喧噪を避けようとすれば、川迫(こうせ)川最大の支流である弥山川を遡行する双門コースがある。 し
かし、このコースは、へつりがあり垂直・水平ハシゴが連続し、河原小屋跡の先はルートファインディングが必要な難
コースである。狼平避難小屋か弥山小屋に1泊するのであれば格別、日帰りするならば登りだけで8時間近くかかるこ
とから相当な体力が要求される。双門コースを初めて辿ったのは2008年のことであるが、その後2011年に再チャレン
ジし、今年2013年5月には途中のザンキ平の肩から迷ヶ岳・嶽修覆山経由で弥山まで登った。今回の双門コースは4
回目のチャレンジとなったが、2012/9の台風により河原小屋が跡形もなくなっているとの情報があり、ザンキ平の肩か
ら先は新たな挑戦となった。

- GPS軌跡図
前回の山行のとき、keikokuさんに大峰に双門コースという垂直ハシゴの連続する難コースがあるという話をしたら、
是非とも行ってみたいと大乗り気になったので、2週連続で二人三脚山行となった。今回もkeikokuさんは前夜から京
都入りしたので、うまい豚しゃぶに舌鼓を打ちながら一杯やった。 翌朝午前3時に京都を出発した。R24(大久保バイパ
ス)-京奈和道-R24(奈良バイパス-大和御所道-橿原バイパス-大和高田バイパス)-P169-R370-R309と進
み5:30に熊渡(くまど)に到着したが、すでに5、6台の車が路駐していた。今回の計画は、弥山から奥駈道を行者還岳
まで縦走し、大川口まで下りる予定にしていたので、大川口まで進んでここに自転車をデポして、熊渡に戻った。
すでに路肩は満杯になっていたが、何とか1台路駐するスペースを探して駐めることができた。4 、5人の若者パーテ
ィーがヘルメットなどの装備で身支度をしていたので、尋ねると双門コースで狼平まで行くとのことであった。弥山川
に架かる橋には鎖が掛かっていて車は進入することができない。橋を渡ったところにはゲートがあり、「平成23年9月台
風被害により河原小屋(避難小屋)流失(跡形もありません)狼平避難小屋または弥山小屋へ!」と案内がある。さら
に「双門コース案内図」の横には、「この双門コースは弥山川に沿って急な岩場やハシゴが続く上級コースです。至る
所に転落の危険がある他、川を渡り、川を登らなければならない箇所等もあることから迷いやすく、また降雨増水時に
は登行不能になり山中に閉じ込められることもあります。このコースでの遭難は、登山者の軽装備や経験不足、計画の
不備等によって発生しており、 実際に滑落や道迷いが原因の死亡事故が毎年発生しています」と奈良県警中吉野警察
署長の警告板が立っている。もっともだと思っていると、背後からkitayama-walkさんと声をかけられた。振り返ると、
何とジオンさんだった。昨年7/16の籾糠山以来の遭遇だった。ジオンさんによれば、私の山レポを参考にして山仲間
数人でやってきたという。ザックを見れば、小屋泊の装備であり狼平避難小屋泊の予定だという。気をつけて歩いて
ほしいと思いながら、私たちは先に歩き出した。
弥山川左岸の林道は幅広で少しずつ登っている。もう歩きなれた感じなので、さっさと進むと20分ばかりで林道終点
が見えてきた。直進するとカナビキ尾根に登ることになるが、今日は弥山川遡行なので、終点手前から左に下る分岐
を下る。すぐにカナビキ谷に架かる橋を渡り、荒れた林道を進むと広い河原に降り立った。ここが白川八丁の入口であ
る。河原であるが、水流がない。 つまり伏流(潜流)になっているのだ。 上流に向かってゴーロを進む。すると、間も
なく水流が現れてきたが、いつもより早い。釜滝までは渡渉しながら行くことになるが、今日は水量が多いので渡渉に
も苦労する。かといって靴を脱いでというのも面倒だ。バシャバシャと水に浸かって渡渉したが、しっかりと防水を効
かせた一枚革の登山靴とスパッツで何とか浸水せずに済んだ。 やがて右に岩壁が見えてきたが、ここを越えると釜
滝が見えてくるはずだ。5mほどの滝が現れた。滝壺の手前ではいつもは水に浸かっていない石が水没している。や
はり今日は水量が多いのだ。
さて、釜滝からは右岸を巻いて登っていく。右岸の取り付きには、「双門弥山線歩道」と書かれた古い標柱が建って
いる。すぐに古い橋が現れ、「双門・弥山コースは上級向・沢登りコース」「ハシゴ・橋などは必ず安全を確認のこ
と」「滑りやすい・転落注意・三点支持」と厳しい注意書きがある。 もちろん承知の上のことである。 すぐに右手下に
弥山ダムが見えてきた。ふと右を見ると、岩壁に金属プレートが埋め込んであり、ここで転落遭難した登山者の遺族
からの寄付でこのコースの整備が行われたことが書かれていた。 やがて滑りやすい一枚岩を取りつけられた鎖を
手がかりに下っていく。 傾いた橋を確認しながら渡ったり、あるいは古い橋の下を潜ったりして進むと、従前の登山
道が崩壊していて左手に巻き道(堀新道)が作られている。結構な高巻きをしながら登り、再び下ってくると、河原に
下りてきた。少し河原の中を行くと、右手に「双門弥山線歩道」の標柱があり、 ここから左岸に転じることになる。 最
初は高巻きになっているが、やがて河原に下りてきて、へつりを行くことになる。 岩に打たれた鉄棒や設置ロープな
どがあるので、 ゆっくり慎重に辿ればそう難しくはない。 最後に橋が出てくるので、これを渡り少し登ると、右に下る
ところがある。 下ってから登り返すと、 目の前に一ノ滝と二ノ滝が二段になって流れ落ちているところに出てくる。
左手下には吊り橋がある。

- 一ノ滝と二ノ滝が二段になっている
一ノ滝と二ノ滝の吊り橋を渡ると、いよいよ弥山川遡行の核心部に入っていくことになる。最初は露岩の急登になっ
ているが、矢印の標識のところで右に大きく曲がる。さらに急登が続くが、途中で三ノ滝があり、前回滝壺まで下るこ
とができることがわかったので、今回も下ってみた。20mほどの落差の滝であるが、近づいてみると迫力がある。登山
道に戻り、岩の間を通過すると、ここから垂直ハシゴが連続することになる。このあたりが最もしんどいところである
が、気を抜かないように注意が必要である。 途中に稲村ヶ岳が見えるところがあるが、今日はガスっていて見えない。
急登と垂直ハシゴはまだまだ続く。やがて尾根に出たかと思うと、少し下りとなり、平坦な鞍部に出てきた。ここが滝
見平(仙人嵓前テラス)である。 対岸には仙人嵓がそそり立ち、名瀑・双門ノ滝(60m)が一条の線を引くように流れ
落ちている。ここで小休止だ。

- 垂直ハシゴのオンパレードの始まり

- 双門ノ滝と仙人嵓
滝見平からもさらに登りが続く。繰り返しハシゴや鎖が連続している。もうここまでくると慣れてきた。何でも来い
だ。 やがて小さなピークに立つと、岩壁に銘板が取りつけられている。「弥山の山を愛し、弥山の山にかえる」
(H6.4.17)と書かれていた。 さらに急登を行くと、矢印の標識が出てきて、小尾根にあるしっかりとした道が出て
きた。すぐにザンキ平の肩に着いた。前回はここを直進して、迷ヶ岳→修覆山を経て弥山に直登した。 今回は弥
山川遡行を続けるべく、右手下にある鉄橋を渡って下っていく。 かなりザレた斜面になっていて、鎖が設置され
ている。 右下には滝が見えてきたが、これが三鈷ノ滝である。 やがて弥山川に降り立つが、右岸沿いに登山道
があり、これを進むと河原小屋があるはずだった。しかし、H23.9の台風被害により小屋は流失し、跡形もないと
いう。谷が荒れており、大きな石が転がっている。以前にはなかった光景だ。小さな階段を登ると、そこに小屋が
あったはずだが、その立っていた台地そのものが崩壊しており、小屋はまさに跡形もなかった。その後は、登山
道が右岸と左岸を行ったり来たりしている。
やがて、桶ノ谷出合にやってきた。ここは直進しないようにしなければならないポイントだ。右手の谷に入ることに
なる。目印は岩に打ち付けてある鉄棒だ。この谷に入ると、登山道は左岸にあり、左手にナメ滝を見ながら遡上して
いくことになるが、間もなく鉄ハシゴがぶら下がっている大きな岩のところにやってきた。千丈嵓と呼ばれる巨岩であ
る。この鉄ハシゴは下部が固定されていないので、ぶらぶらするが、短いので思ったより簡単に登れる。続いて岩テ
ラスをトラバースすると、空中回廊がやってきた。岩壁に10本余りの鉄杭が打ち込んであるところだ。ここを越える
と右下には聖門ノ滝が流れ落ちているのが見える。左岸の高巻きを越えると、滝の上部に出てきて、明るくなってく
る。右岸に渡って平坦な道を歩くと、やがて右手の尾根に高崎横手からやってくる登山道と合流すると、眼前に吊り
橋が見えてきて、右手に狼平避難小屋が見えた。ここまで5時間半。まずまずのペースである。時刻も11:30なので
ランチタイムにすることにした。今日は野菜冷麺と極ZEROだ。やはり体力を消耗したので食べるものがうまい。喉も
鳴る。

- 千丈嵓の鉄ハシゴを登る
狼平でランチタイムをしていると、ガスが濃くなってきて、小雨もぱらついてきた。ランチも20分で切り上げて、弥
山をめざすことにした。 狼平からの登山道は整備された階段まじりの道なので問題はない。大黒岩を通過したあたり
で、小雨も本降りに近くなってきたので雨具を着ることにした。ガスも立ちこめており眺望もない。登山道の途
中から八経ヶ岳が望めるのだが、今日はだめだ。しかし、折角なので弥山の山頂には立ち寄ることにした。弥山
小屋に着くと、オオヤマレンゲ目当ての登山者がたくさん来ており、雨を避けて昼食にしていた。ここで八経ヶ岳
に登るかどうか思案したが、オオヤマレンゲもまだあまり咲いていないという情報とこの雨模様にテンションが下
がった。 keikokuさんと相談の結果、そのまま奥駈道を下り、行者還トンネル西口に下山することにした。となる
と、トンネル西口登山口から大川口までは徒歩1時間ほどなので、これくらいならば歩こうということになる。奥駈
道はほとんど下りであったが、ぬかるんでいて歩きにくい。しかも、午後というのに、弥山小屋めざして登ってくる
登山者がかなりいた。しかも、20~30人ほどの団体とすれ違ったが、今夜は弥山小屋泊まりで、明日オオヤマレ
ンゲを見物して下山なのだろう。
トンネル西口分岐までやってくると、体力あり余るkeikokuさんが先に下山して大川口まで走ってデポした自転車を取
りに行き、熊渡まで戻って車で迎えにくるという。さすがに私にはそれはできないので、お任せすることにした。私
は、マイペースでトンネル西口の登山口まで下山した。登山口にはまだたくさんの車が駐まっており、登山口周辺の駐
車地には収まらず、路駐がずらりと並んでいた。見たところ、おそらく100台くらいは駐車していたのではなかろうか。
中でもバスが3台駐まっていたが、これは先ほどすれ違ったツアーの団体登山のものと思われる。下山すると雨も止
み、大川口に向かってR309を歩いていると、後ろからやってきた車から声がかかった。乗っていかないかとのありがた
いお言葉。 60代の男性単独者で地元奈良在住の方であったが、 大峰・台高から鈴鹿によく登っておられるとか。あり
がたく乗せていただき、しばしの間、山談義。途中でkeikokuさんの車と出会ったところで下ろしていただいた。という
ことで、今日は天気予報が外れたため予定どおりにはいかなかったけれど、keikokuさんには弥山川遡行を堪能して
もらうことができてよかった。下山後は、天の川温泉に立ち寄り、汗を流した後、一旦京都まで戻り、再び祝杯を挙げた。
<コースタイム>
6:00熊渡駐車地-6:25白川八丁入口-6:45釜滝-7:20クルミ谷出合-7:30一ノ滝吊橋-8:00三ノ滝-8:40滝見平(仙人嵓
前テラス)-9:10ザンキ平の肩-10:00河原小屋跡-11:05桶ノ谷出合-11:15聖門ノ滝-11:30狼平避難小屋11:50-12:10
大黒岩-12:40弥山-12:50弥山小屋13:00-13:20聖宝ノ宿跡-13:40弁天ノ森-13:55トンネル西口出合-14:30行者還ト
ンネル西口(登山口)