
- 堂倉滝
赤坂谷で初めての沢泊をしようと準備しているとたろーさんからメールが。「どうせ沢泊するならもっと有名どころでやりましょうよ」。堂倉谷は昨年からたろーさんが連れて行ってくれると約束していた谷だ。もちろんいやはない。でも,「沢ナビ」で調べてみると3級の沢になっている。え〜と,私まだ2級の沢までしか歩いたことないんですけど。3級の沢に,しかも初めての沢泊装備で行って大丈夫なの?簡単ですというたろーさんの言葉を糧に,おっかなびっくりで出かけることにする。まあ,こんな機会がないと永久に行けないような所だしね。
【 日 付 】2013年7月20〜21日(土・日)
【 山 域 】台高・大台ケ原周辺
【メンバー】たろーさん,シュークリーム
【 天 候 】両日とも快晴
【 ルート 】
20日 大台ケ原駐車場 7:00 --- 7:30 日出ヶ岳 --- 9:40 堂倉滝 --- 12:00 奥七ツ釜 12:50 --- 14:00 泊地
21日 泊地 7:00 --- 12:00 正木ヶ原 --- 12:40大台ケ原駐車場
1日目:
金曜日の夜,たろーさんの車を私の家の駐車場においてもらって,私の車で出かける。走る車もない国道166号線を飛ばし,12時過ぎには伯母峰峠に着いた。ここの駐車場で車中泊。夏用シュラフにくるまって熟睡する。車やテントの中の方が家の布団で寝るよりも熟睡できるというこの性格,得な性分だ。
5時20分にあわせておいたアラームに起こされる。予想通り今日は快晴のようだ。朝食を済ませて6時に出発。大台ケ原の駐車場に着くと,テントがちらほら。キャンプ禁止になっているはずだけど,そんなにうるさくはないのかな。この時間に準備している人たちはほとんどが沢装備だ。
初めての沢泊なので,どのくらいの重量までが許容範囲なのか全くわからない。とにかく減らせるものはすべて減らすことにする。食料はアルファ米など乾燥食品が主体。テントではなくツエルトにするともっと軽くなるのだろうが,ツエルトで泊ったことがないので,今回はテントを持参する。重量は計っていないが,体感では11〜12キロくらいかな。まあ適度な重さだろう。
7時に駐車場を出発。30分ほどで日出ヶ岳に到着する。5月の連休に歩いた台高の縦走路が一望だ。縦走の思い出にひたる。この後は大杉谷に向かってひたすら降りて行く。途中で同じコースを歩くという4人組の若者グループに追い越される。堂倉避難小屋を経て2時間ほどで堂倉滝に到着。
ここで沢装備を装着。足が攣らないようにビタミン剤とアミノバイタルと芍薬甘草湯を飲む。どうか効いてくれますように。大杉谷方面少し歩き,右折して急斜面を登る。トロッコのレールの下をくぐって,落石ゴロゴロの急斜面をロープをたよりに堂倉滝の落ち口に下りる。おいおい,はなからこれかよ。簡単な沢じゃなかったの?
いよいよ遡行開始だ。鈴鹿の谷と違って滝や岩のサイズが大きい。水たまりにはカエルになりかけたオタマジャクシがうようよ。7m滝でいきなりの泳ぎ。今年からパドルグルーブを使っているので,泳ぐのはそれほど苦にならなくなってきた。手のかきだけで十分な推進力が得られるのだ。それにしてもこの谷の岩はぬめっていて滑りやすい。鈴鹿の花崗岩の谷であれば簡単にフリクションで登れるような斜滝が怖くて登れないのだ。

- 堂倉谷最大の30m滝
7m滝の次は堂倉谷最大の30m滝だ。いや〜,素晴らしいね。水もきれいだし,明るいし,確かに秀渓と言われるだけのことはある。30m滝を左岸から巻き,その後も泳いだり,へつったり,大岩を越えたりしながら遡行して行く。天気はばっちりで,水がブルーやグリーンに輝いている。薬が効いているのか足も大丈夫なようだ。

- 美しき堂倉谷
10m斜滝は練習のため,ロープを引いてトップで行かせてもらう。2カ所の残置ハーケンで支点をとる。早く一人前になりたいものだ。中七ツ釜を過ぎるとすぐにこの谷の見所である奥七ツ釜だ。ここで昼食にする。休んでいると朝会った4人組と3人組が通りかかる。みな若者達で,恒例の飛び込み大会だ。せっかくなので年甲斐もなく私も飛び込ませてもらう。あ〜,心臓マヒで冥土の土産にならなくて良かった。
このあとナメと15m斜滝を過ぎると堰堤に突き当たるので,右岸の斜面を登り林道に出る。造林小屋の跡を通って,今晩のテン泊地に午後2時着。今日は大岩の乗り越しでたろーさんに2回スリングをだしてもらったが,あとは何のトラブルもなく歩くことができた。

- 10m斜滝
薪を集め,3時頃からたき火を始める。やっぱりたき火はいいね。火の番をしながらぬれた服を乾かし,たろーさんと四方山話に興じる。二人ともお酒が弱いので,たろーさんが担ぎ上げたビールと私が持ってきたブランデーを飲んでいい気分になってきた。少量のお酒で酔っぱらえるのはこんな時は便利だ。いつの間にか周りは暗くなり,たろーさんがたき火の横に敷いたマットで居眠りを始める。私も火の番をしながらいつの間にか眠ってしまったようだ。寒さで目が覚めるともう夜の9時で,たき火は消えかけていた。

- たき火の横で居眠りするたろーさん
テントに戻り,シュラフカバーと山日和さんご推奨のサーモリアクターにくるまって寝る。夜中に寒くて雨具を着たが,我慢できないほど寒くはなかった。たろーさんの話では夜中に車が通ったり,戸がばたんばたんと閉まる音がしていたというが,私は耳栓をしていたせいか何も気づかずに熟睡していたようだ。やっぱり得な性分だ。
2日目:
5時半起床。今日の朝飯に予定していた分を昨日食べてしまったので,今日は予備食として持ってきたインスタントラーメンとミニトマトとソーセージで朝食を済ませる。これで予備食も含めてほぼなくなってしまった。遭難するとヤバいよね。
しばらく廃林道を歩き,適当なところで入渓する。しばらくは平坦な沢歩きが続く。天気がいいし,明るい沢なのでこのような平坦部でも楽しく歩くことができる。シャクナゲ谷出会いを過ぎるとゴルジュの連瀑帯に突入だ。今日は泳ぎは少なく,滝登りが中心のようだ。今日も練習のため,トップでロープを引いて登らせてもらう。それほど難しい滝はなく,練習にちょうどいい滝が続いているので面白い。
20m斜滝を過ぎるともうロープが必要なほどの滝はなくなる。小さな滝をいくつか過ぎ,源流の雰囲気のところで左岸の斜面に乗り正木ヶ原を目指す。足の筋肉が冷えてしまっているせいか,斜面を登り始めたとたんにいつものゼイゼイハアハアが始まり,たろーさんにおいて行かれる。それでもなんとか登りきり(登りきらないと家に帰れない),正木ヶ原に到着。たろーさんと固く握手をする。あ〜,無事に登りきれてよかった。
尾鷲辻を経て駐車場に戻る。帰りは入の波温泉山鳩湯で汗を流し,国道166号線経由でスムーズに帰宅した。大台ケ原のトイレにパドルグローブを忘れてきたのに後で気がつく。あ〜あ,3千円もしたのにね。結構ぼろぼろになっていたからまあいいか。また買い直せばいいや。
沢ナビに沢のすべてが凝縮された秀渓と紹介されている通り,堂倉谷は楽しく遡行できる素晴らしい谷だった。特に2日間とも天気に恵まれ,好条件のもとで遡行できて幸運だった。機会があればもう一度行ってみたいものだ。薬が効いたのか2日間とも足が攣ることはなかった。アドバイスしていただいたひぐらしさん,panaちゃん,ありがとうございました。たろーさん,お世話になりましたm(__)m。今度の愛知川でもよろしくね。