おはようございます、山日和さん。
洞吹氏と上多古川本谷から竹林院谷を遡行して山上ヶ岳へ抜けたのだ。
通いなれたエリアなんですね。竹林院谷と言えば黄金のナメですか?
山道を少し上がると祠があり、阿古滝へ向かう道と分かれて左に落下音を轟かせている矢納滝
の方へ進んだ。ほぼ落ち口のレベルでトラバースして、滝の上で入渓となる。
最初から緊張のトラバースの練習のようなもの。ですが、矢納滝も美しい滝です。
谷中は前進不能。左岸を見るといかにも頼りなさげなハシ
ゴが架かっている。恐る恐る登ると上にトラロープが伸びる。こいつも100%の信用は置けない。
高巻きにしてもなかなかハード。梯子やトラロープがあってもやはり安心はできませんね。
さすがにトータル55mの滝は巻き甲斐がある。
巻きがいがあるとはまさにその通り。水につかっているより巻きの時間の方が長かったりして・・・汗が噴き出します。
その上に続くゴルジュをやり過ごして8m滝の落ち口へトラロープを利用して下りた。
このロープも信用がおけるのかおけないのか・・・
下部の岩盤はその名の通り赤い。行ったことはないが、赤石沢のラジオラリアの岩床はこんな感じかとふ~さん
と笑い合う。それにしても流麗な滝である。その造作の見事さにしばらく見惚れてしまった。
赤なめくちきの滝は素晴らしいですね。言葉を失う美しさです。
しかしこの谷はやたらワイヤーの類が放置されていて見苦しい。かつての伐採の名残りだが、
モノレールのレールも転がっていたりして美観を損ねているのがなんとも残念である。
ほんとですね。産業廃棄物ですね。
どうも頭がフラフラするのでふーさんに「5分だけ横にならせてくれ」と頼んでシートにひっく
り返った。キッカリ5分で立ち直って出発。どうもシャリバテ気味だったようだ。
考えてみれば朝起きてからサンドイッチひと切れとドリンクゼリーしか口にしていない。
心配しましたよ。沢中で熱中症かと・・・
右岸のガレを登りかけたところで雨が降り出した。本降りに近い様相で、うまい具合に現われ
た岩小屋でしばし雨宿り。下流方向を見ると空は明るく、少し待つと青空も覗き始めた。
ガレを上がって小尾根状に登り着いたところで「どうする?」とふ~さんに尋ねた。いろんな記
録を見ても、99%ここかコウリン滝の上で遡行終了して引き返している。
99%が・・・ですか。我々は一体なんなのでしょう・・・
「どうする?」と聞いても「下りましょう」という返事が返っ
てくるはずがないのは百も承知である。
確信犯ですね。
見ると、とろろそばがふ~さんに救出されるところ、危機一髪だった。
うまくキャッチできなければ悲劇でした。。。
ここが最後の思案のしどころだった。腹がふくれたら気力も充実してきたのか、「さあ、頑張
ってみよか」と足が上流へ向いていた。
変人のたぐいですね。
空が近付いてくると細々とながらも水流が復活。滝も現われて最後まで楽しませてくれる
変人にも神のご加護があったわけですね。
ツメはヤブ無しで大峰奥駈道へ飛び出した。竜ヶ岳の肩の台地は針葉樹の疎林と下生えのない
広場で実にいいところである。
別天地とはまさにこのこと。源流部のつめも最高でした。でも、苔の生えた滝に頬ずりするのだけはおやめください。私も同類と思われてしまいます。
我々の登頂を祝福するかのように、大峰山寺方面から法螺貝の音が鳴り響いた。
絶妙なタイミングでホラ貝が鳴り響きましたね。
台地から少し下れば小笹の宿。ここは稜線直下でありながら豊かな水場があり、あちこちに幕
営適地と小さな避難小屋、修験道の祠がある別天地だ。単独者がテントを張ってビールを飲みな
がら夕餉の支度をしていた。いかにも贅沢かつ至福の時である。
いい場所です。テン泊の方がうらやましかった~
実はここからが阿古滝道の本領発揮だった。
阿古滝は印象的な場所ですね。しかし、その後の展開が・・・(涙)
途中からまた雨が降り出した。今度はにわか雨という感じではなく、かなりの雨脚だ。
ふ~さんが「どこかで雨宿りしましょう。」と言うも、樹林帯の中ながら雨がまともに降り注ぐ
ので避けられるところがないのでとにかく前進するしかない。
暑いので雨具を着ていなかったがさすがにこの雨に打たれ続けるのは得策ではないので雨具を着
る。
かなり激しいシャワーに見舞われましたね。雷が収まってくれたのは良かったのですが。
尾根上の道と違って斜面をトラバースしながら続く道は、ところどころ折り返す地点や谷を渡る
箇所で判然とせず、神経を集中しないとコースをロストしてしまいそうになる。天気が悪く、樹
林帯の中ではもう薄暗い。
なかなか大雨のもとではなおさら気を遣う一級の廃道です。
ついに道が寸断された。目の前にはスラブっぽい小沢が横切りトラバースするのは躊躇われた。
目を凝らしてもその先に道が続いているようには見えない。上か下か。
さるHPの主のプレートとテープがあるのでコース上にいることは間違いない。ふ~さんが下を、
私が上を探った。10mほど上に道のようなラインが見えるのが気になったのだ。斜面を這い上が
ってみると果たして、そこには明瞭な道が続いていた。ふ~さんはここでビバークが頭をよぎっ
たらしい。
やれやれですね。お疲れ様!
途中で見つけた岩小屋でやっと雨宿りしていると雨も小降りになってきた。
道はだんだんはっきりしてきた。道標のある上多古本谷の多冶良渕への分岐まで来ればメドが着
いてひと安心だ。よく手入れされた現役の杣道を急ぐ。もう闇下の心配はない。
増水した矢納滝の轟音が近付くと林道終点までは一投足。林道に下り立って再び無事下山のハイ
タッチだ。
うまい具合に岩屋がいくつもあるもんですね。それにしても、渾身のハイタッチでしよ。
もし単独なら100%コーリン滝で引き返していただろう。無言の圧力?で折れそうな心を支えて
くれたふ~さんのおかげで矢納谷遡行、竜ヶ岳登頂を果たすことができた。
やっぱり沢は詰め上げてナンボだと実感した。
12時間行動に付き合ってくれたふ~さんに感謝。充実の一日だった。
お疲れ様でした。得がたい山行でした。
ふ~さん