【日 時】 7月6日(土)
【地 図】
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 3698289579
【同行者】 単独
【天 候】 曇り/晴れ
【ルート】 P(7:27)~600m二俣(7:51)~962東稜線上(9:50)~県境稜線(10:10)~竜ヶ岳(10:20/27)~重ね岩Ⅰ群Ⅱ群Ⅲ群(10:48/12:06)~古語録谷左俣右谷(12:24)~P(13:10)
平成23年の秋。古語録谷左俣左谷を遡行して源頭で重ね岩に飛び出した・・・と思ったのは一瞬。しかし、それは県境縦走路上の重ね岩ではなく、その裏手に展開する岩塊だった。
その二週間後のことだった。息子と竜ヶ岳に登った時、旧国道から竜ヶ岳の南西面を眺めると、三つの岩塊が確認できた。登山道上の重ね岩をⅠ群とすれば、そのすぐ北西側裏手がⅡ群。同じ尾根の下方には、小規模ながら第三の重ね岩が鎮座しているのが見てとれる。これを仮にⅢ群とするならば、一度はそこを訪れてみたいと思っていた。

- 重ね岩ⅠⅡⅢ
カーブミラーの立つ駐車地は盛り土されている。手前の法面の崩壊で流出した土砂の捨て場になってしまったのか。馬場谷の堰堤にも砂防工事が入り、このエリアもかまびすしい。
準備をしていると、男性一人女性二人の乗った自動車。「石グレ峠はまだですか~」と尋ねられる。お互い安全山行で。

- ルートマップ
古語録谷に降り、白谷越を谷通しに進む。周辺域の細かな谷名を採名した記録は残念ながら手元にない。「(クラ谷越を補完する)白谷越道には、伊勢から山稼ぎ衆が大挙して押し寄せた」と『鈴鹿の山と谷』にある。さすれば、かつては谷の一つ一つに命名があったはずだ。
事実、炭窯跡を見ながらの沢歩だ。谷は小規模ながら、花崗岩質の美しい造作を誇っている。昨日の雨を集めてまずまずの水量。小柄な滝を連ねてしっとり二次林の谷歩きが楽しめる。600m二俣では、やすらぎの右俣に誘い込まれそうになるが、ここは予定した左俣へ。
すぐに7m滝。右辺を登ると早くもシャワーで全身びしょ濡れ。中段で流芯を渡るのがエイヤッって感じ。あとは左辺の岩壁をよじ登る。滝頭は水流に洗われ、端正に磨き上げられて愛らしい。透き通る沢水を満々と湛えた釜の先には小滝が微笑む。

- 7m滝
沢の640m屈曲点の先ですぐ二俣に別れる。ここは右を取って小滝を楽しむ。再び炭窯跡があり、その先、3mほどの滝。腰まで水に浸かって右の岸壁をよじ登る。その後も小滝を渉るうち、両岸の緑の林相が癒やし系に変わる。
谷が細かく分流を始める。荒れた印象の右谷を捨てて左谷に移り気するも、炭窯跡を見て再び右谷と復縁する。かつて杣人が足繁く通った桃源郷・・・
やがて水が切れ、水の涸れた岩壁が続けざまに立ち現れる。それを楽しんで直登するも、徐々に壁がボロボロになってくる。たまらず谷脇に逃げて高度を求めるうち、明るい二次林下のシダ原歩きとなった。鹿道を拾って歩くうち、竜ヶ岳西尾根上の962地点東に飛び出す。
ミズキノと不老堂、その奥手には銚子ヶ口。御在所岳から雨乞に伸びるスカイラインが雲の中に溶けていく。ミズナシの奥、岳から北上する尾根筋の裏手に日本コバがうずくまっている。県境稜線の三重県側は厚い雲に覆われていて、滋賀県側に次々とガスが流れ込んでくる。
低い笹原を歩いて県境稜線から竜ヶ岳へ。山頂では、朝の三人組さんの後ろ姿を見つけてほっとする。

- 左がⅡ群、右がⅠ群
その足ですぐ重ね岩Ⅰ群へ。てっぺんに登ってみると2~3カ所に古いハーケンが打ち込んである。重ね岩Ⅱ群に移動してのんびりする。重ね岩Ⅲ群の位置を確認してみる。同じ尾根上だし、北側直下の谷筋は既に歩いているので土地勘もあって安心材料に事欠かない。
ザレ場を歩いてⅢ群へ。手前の平坦地でのんびりするうち、再び青空がのぞく。Ⅰ群とⅡ群が同時に望める絶好のロケーションだ。お手製のサンドイッチでランチとしよう。再び腰を上げてⅢ群を伺うと、いきなり、子鹿が岩塊の手前へと躍り出た。

- Ⅲ群遠望(達磨岩と畳岩)
悠然たる子鹿よ。しかし、親鹿はさとい。私の存在を察知して、すかさず子鹿に警告のホイッスルを鳴らす。それでも何のことかわからぬ子鹿は、きょとんとした表情。そんな子鹿に再度警告の笛。とたんに子鹿はきびすを返した。
Ⅲ群の畳岩は絶好の展望地。ごろんと横になる。またまたのんびりモードの私。畳岩の北には小規模な岩壁がある。そこまで足を伸ばしてから再度畳岩に立った。この先、トレースする尾根筋が手に取るよう。
歩きやすい尾根を満ち足りた気持ちで辿る。鹿の遊び場を経て、狙ったポイントにジャストで降り立つ。そこは清浄な流れの小沢が一筋。さあ、沢芯の下降だ。
一カ所のみ、左岸を巻き降りる。それを除けば、オール沢通しで614北の沢の合流点へ。あとは前回辿った沢筋の逆トレースだ。ぶるぶる震えながら釜に潜ったりする遊び心も忘れない。あっという間に本流に飛び出した。
さあ、丘に上がろう。ヘルメット一杯に水を汲んで、頭からひっかぶる。夏はこれに限るね~!
ふ~さん