今年のゴールデンウィークはスキー三昧。前半はM.S.C.どんぐりの方々と尾瀬へ向かった。
27日は時ならぬ寒波で予定の至仏山は吹雪。残念ながら途中から滑降。しかしこの時期にしてはうれしい新雪の滑りを味わう事ができた。
翌28日は檜枝岐から燧ヶ岳を目指す予定だったが積雪のため登り口の御池まで入れず会津駒ヶ岳に変更。ここも天候不順で中腹までの登高となった。しかし滑りはなかなか楽しいかった。
29日は御池まで入る事ができたが時間の関係で登ったのは比較的時間のかからない大杉岳。しかしここからの展望が最高だった。燧ヶ岳と至仏山に挟まれるようにして尾瀬ケ原が眺めらた。
後半はいろいろと迷った。不安定な天気が続きビシッと決められない。結局、前日まで迷って取りあえず天候の安定しそうな北アの針ノ木岳を目指す事にした。
2013年5月3日(金) 晴れ 北ア 針ノ木岳 スキー
とっちゃん 兔夢
5:40 扇沢駐車場 → 7:10~45 大沢小屋 → 10:00 マヤクボ沢出合 → 12:00 2550m折返し地点 → 12:40 滑降開始 → 14:10~14:30 大沢小屋 → 15:10 駐車場
ゴールデンウィークの後半はいろいろ迷いつつも天気予報を信じて針ノ木岳、焼山を訪れた。いずれも晴天に恵まれすばらしい景色を目に焼き付ける事ができた。スキーも十分楽しめた。
2日の午後に大垣を出発。扇沢の無料駐車場に車を停めて前泊。翌朝は5時に出発する予定でいたがなんだかんだと遅れて6時前にようやく歩き出した。朝の弱い二人だからこんなもんか。
針ノ木岳登山口には登山相談所が設けられていた。スタッフから雪崩のリスクが高いからできるなら入山を避けてほしいとの説明。先日の白馬大雪渓の雪崩を受けて警察も遭対もかなりナーバスになっているようだ。
取りあえず大沢小屋まで向かい様子を見て判断しようという事になった。たとえ引き返したとしても小屋まで行けば次に訪れる時のイメージができる。
登山道があるはずだが雪のある状態ではよくわからない。幸いトレースがあるのでそれを辿っていく。途中除雪された林道を歩いたりして進み雪の詰まった沢に下りる。右岸の明確なトレースを辿って堰堤を二つばかり越えると左岸の一段高くなったところに小屋が見えた。

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大沢で雪山訓練をしているパーティを見ながら小屋に着くとどこかに出掛けていたらしい管理者が調度戻ってきた。雪の状態を尋ねれば今日はそれほど恐れる状況ではないだろうとの返事。4月末の新雪は既に溶けたし気温も低いから全層雪崩の危険も少ない。しかしあくまでも行くのか行かないのかを判断するのは登る本人。とっちゃんに「行こか」と問えば「うん」と頷く。奥美濃の単独歩行と違って情報が多いのがうれしい。
後からきたスキーパーティが先に小屋を出た。それを追うように出発。ここからはシール歩行。
小屋のあるところから一段下りると広々とした雪渓。その奥に山肌を真っ白にした峰。その美しさにテンションがあがる。
雪渓は穏やかに始まり徐々に斜度を増していく。右岸にはデブリの出ているところもあるが本谷を埋める程の規模ではない。
天気は上々で白い稜線の上は紺碧の空。そのコントラストがすばらしい。しかし気温は低くジャケットは着たままで歩ける。
背後にも白い峰々が並ぶ。名のあるピークばかりなのだろうが不案内な山域ではただ美しいと眺めているだけだ。

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雪渓の下部をみれば後続のパーティが幾つか登ってくる。果して後続がいるのかと心配した山行だったがここにきて賑やかになってきた。
沢筋は徐々に徐々に斜度を増していく。気付かないうちにかなりの急斜面を歩いていて休憩も斜面の途中という具合になってきた。
安全を考えてクトーも途中から装着。程よく緩んだ雪で必要ないかとも思ったが欲しいと思った時にはすでに遅いという事態は避けたい。
マヤクボ沢出合から何か転がってきた。落石かと思ったがどうも転がり方がおかしい。よく見ればそれはヘルメットだった。先行していた単独スキーヤーが持っていたもののようだ。拾おうとしたが僕からは遠すぎた。幸い後を歩いていたとっちゃんの近くに転がっていって、とっちゃんは少し横に身体を移動してナイスキャッチ、それをザックに括りつけた。しばらくしてヘルメットの主が滑り降りてきて無事返す事ができた。
ヘルメットの主の話によると上部は斜度が立ちシールでは太刀打ちできなくなったとの事。先行のパーティは壷足での登高に切り替えたようだが苦労しているようだ。
できるだけシールでと思ったが斜度が立ってくれば切り替えができるかどうか分からない。リスクを避けて早めにアイゼン歩行に切り替えた。

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先行者のステップを辿っているうちに単独登山者が追いついてきた。足下を見ればなんと長靴。「今日は選択を誤りました」と言いつつトレースを追ってダブルストックで登っていく。いったいどうやって下りてくるつもりなんだろうと見送った。結局その方は山頂まで登っていったようだ。下山した時、駐車場で姿を見かけたので下山も無事果たしたようだ。お年を召した方のように見えたがとんだ強者だったようだ。
先行者のトレースを辿って斜度の緩やかな棚にあがる。稜線は更に急斜面を登っていったところだ。
時折強く吹き抜けていく風が冷たい。モチベーションが下がっていくのが分かる。12時を回りこれからは雪面が徐々に固くなっていくだろう。ここは無理をせず下るのが得策と判断。ゆっくりとした足取りながらしっかりと急斜面を登り詰めてきたとっちゃんにそう告げる。とっちゃんは僕だけでも山頂を目指したらいいのにというがその気は更々起こらない。
シールを剥がしているうちに先行していたパーティが稜線からの急斜面を滑り降りてきてすばらしい滑りを見せてくれた。いつか滑れるだろうか。

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棚をトラバースして登ったところとは反対側に移動。こちらの方が雪付きがよさそうで滑りやすそうに見えた。しかしこれが誤りで斜度がかなりあり雪面も固めだ。滑落した時の事がふっと頭をよぎる。そうなると腰が引けて滑りも悪くなる。3ターンしたところでバランスを崩しこけた。やばい!しかしなんとかスキー板を雪面に押さえつけ滑落は避ける事ができた。
これを見たとっちゃんがビビらないかと思ったが杞憂だった。安定した滑りでこの急斜面を下りていく。その姿にこちらの方が励まされた。

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急斜面を滑り終えマヤクボ沢出合の手前からは比較的リラックスした滑りができるようになる。
僕らとは違う斜面を先に滑り降りていた先行パーティはビデオを撮りながらの滑降。それを待ちながら下りていくのはどうもリズムが良くない。休憩をとって間を空けた方が良さそうだ。
休憩して軽く食事をしているうちに先行パーティとは適度な間隔ができた。幸い僕達の後ろから滑り降りてくる人もいない。それからは荒れ気味の斜面だったが気ままに気分良く滑り降りていく。
帰りも大沢小屋に寄っていく事にした。実はOSKが今日から針ノ木に来ている予定でひょっとしたら大沢小屋にいるかもしれないと思ったからだ。
沢から大沢小屋の方にあがるとちょっと離れたところから聞き覚えのある声。みればOSKのSさんをはじめとする男性陣だった。やはり山の状況を考えてここにテントを張ったようだ。
テントまで行けば女性陣の顔。今回は6人のパーティ。しばし話をしてお互いの健闘を祈りつつ分かれた。OSKは翌日、針ノ木岳、蓮華岳を登って5日に下山したそうだ。
大沢小屋より下はできるだけ雪を拾っていき最後のわずかばかりでスキーを担いだ。概ね満足の行くスキー山行のできた一日だった。