【 日 付 】2013年3月31日(日)
【 山 域 】鈴鹿北部
【メンバー】ハヌル、こふ~、柚ッキー、キララ、サキリン、Sさん、Iさん、アイアン、通風山
【 天 候 】雨のち晴れ
【 ルート 】今畑~笹峠~西南尾根~霊仙山~汗拭き峠~落合
「降水確率が50%なら中止だよ。」と決めたものの数日前から40%~50%を行ったりきたり、前日夕刻の予想が40%だったので決行の通知をしたが、当日早朝には50%になっていた。最近の天気予報はなんだかなぁ、あまり予報になっていないような気がするがどうだろう。
福寿草を見に行こうと霊仙山西南尾根を選んだ。愛知厚顔氏の語る昔話を思い出す。この尾根には白い福寿草が咲いていたという。そんな氏の面影を思い出す尾根だ。
今畑の廃村に入り共同の水場で今日の昼食用の水を確保する。この集落の唯一の水場の脇には大杉が水場の石垣に張り付かんばかりにそびえている。
わりばしさんがかつて語った、朽ち果てずに残る蔵の多さにあらためて驚き、ここの住人の暮らしぶりに思いをはせる。
今は住む人もいない朽ち果てた家屋の脇には満開に咲いた福寿草が、哀愁を漂わせていた。
笹峠からいまだ踏んだことのないリョウシ、コザトを仰ぎ見る。眼下にはナガサコが小さく平坦な地形を作っている。この笹峠も雰囲気がよい。降り出している初春の雨は小降りでも肌寒いけど、ここでのんびりとしたい気分になる。
霊仙山西南尾根の急斜面に張り付く奈良のパーティーを、昨年から登山を始めて初心者の柚ッキーが目を丸くしてみている。まさに近江展望台と呼ばれるピークがニセ霊仙山の様相で聳え立つ。
ここまでワイワイ登ってきた登山道も急登に息づかいの荒い沈黙のパーティーとなった。

- 笹峠から近江展望台への急登
心の中では福寿草の群落の出現に大きな期待を寄せて、今か今かと近江展望台まで登ってきた。
かすんだ琵琶湖のふちには小島がやっと見える。雪を付けた御池岳もかすんでいる。雨は止んできたが風が出てきた。
さあ、西南尾根の稜線は、お目当の福寿草だ・・・と思ったら・・・・
「無い!」のである。いったいどうしたことだ。数年前は踏んで歩かなければ進めないぐらい咲いていたのが、目を凝らして探さなければ見つからないぐらいの少なさなのだ。

- まばらに少ない福寿草
ところどころ、20mで一輪やっと見つけられるか見つけられないほどの福寿草に、狐につままれたような気分になってきた。
いったいどうしたというのだ。盗掘という言葉が頭をかすめたが、願わくばハズレ年、そういう年回りであると思いたい。鈴鹿のいたるところでカタクリが消えたように、西南尾根の福寿草も伝説になっていくのだろうか。
周りのパーティーも福寿草捜索隊になって戦々恐々としている。これを「西南の役」と呼ばずして何と呼ぶのか。
それでも北斜面のドリーネあたりにわずかな群落を見つけて、やっと歓声が上がった。
西南尾根の福寿草はいずこへ?
霊仙山最高点までの尾根はビーナスの曲線ようですばらしい。南の斜面はカール状でどこかの百名山にいるようだ。低山ながら南方面のかすむ双耳峰の三国岳が印象的だ。

- 西南尾根を行く
最高点の斜面で風をよけながらのランチタイム。
山頂から経塚山、お虎ヶ池とショートカットの誘惑にも負けずに、ニューフェースの手前、登山道を踏み外さずに行くのもいいものである。
お虎ヶ池の「ここはお虎ヶ池ではありません」という下丹生の人が立てた鉄製の表札はまだしっかりある。鳥居には「霊仙神社」とつけられているのでこれが正式名称なのかな。その隣には上丹生の「西出商店のおじさん製の『お虎ヶ池』」の説明看板が掲げられている。ここでは上丹生と下丹生で「お虎ヶ池の変」が繰り広げられているようだ。

- お虎が池はどこ?

- 霊仙神社
汗拭き峠から大洞谷への下降路は昨年の豪雨で削られて、トラロープが設置されていた。あと、1ヶ月もすればヒルのお出ましになるだろう。
作業用の車が入れるくらいの道を下っていくと、落合の集落に出た。ここもいまや廃村で住む人はいない。
時間があったので落合の廃寺のわずかな境内で、みんなのもってきたツエルトを出して張ってみた。一人用の袋状のビビィのようなものや、ポンチョみたいなものや、テント型のものやそれぞれみんなが違うのを持っているので面白くためになった。
ハヌルちゃんはGWには高島トレイルをツエルトで縦走するらしい、足が出てしまうぐらいのツエルトでここで試し張りの練習しておいてよかった。
そのハヌルちゃんから保月に福寿草がたくさん咲いていた。との情報で福寿草目当ての山行きでは不完全燃焼であったので、急遽車で保月に行こうということになった。さすがに昨年タイヤがパンクした河内から権現谷林道へと行く気にならず、遠回りになるが、来栖から杉経由で保月に向かう。
林道を走らせると道の脇には電話線と電線が走っているのに気がつく。山の奥の奥に突然現れるのは杉の集落であった。言うまでもなくここも廃村で屋根の落ちた民家がわびしい。
地蔵峠の目を見張るほどのいかにも霊験あらたかそうな大杉に驚き、坂を下るとひっそりとした保月の小学校の跡地の横に出た。
ここも人気のない廃村である。それでも家の周りをめぐるとうっすらと人の気配が漂ってくるので時々は人が入るのだろう。
石垣だけがのこる家屋の基礎の土には、いたるところに福寿草の黄色い群落が綺麗だった。
霊仙山の雄大な尾根と、今畑、落合、杉、保月と1日で4つも廃村をめぐり、朽ちた家屋と庭先にひっそりと咲く福寿草、哀しい情景が印象に残る山旅となった。
通風山