冬のアルプス挑戦は長年の憧れだったので山岳会に入って教わるつもりだったが12月の冬山訓練山行が悪天で流れ、その後も予定が合わず訓練には行けず仕舞いだった。
折角大枚を叩いて冬道具を揃えたので無駄には出来ないと思い、1~2月に鎌尾根と冬の藤内沢さらに本谷に挑戦し何とか自分なりに少し自信が付いたので思い切って赤岳に挑戦することにした。
「日付」平成25年3月15日~16日
「山名・天気」赤岳・阿弥陀岳 (2日間とも晴れ)
「メンバー」単独
「コースタイム」15日 8:00美濃戸口~9:00美濃戸~11:00行者小屋~13:30赤岳~15:20行者小屋~16:00赤岳鉱泉
16日 7:30赤岳鉱泉~8:30行者小屋~10:30阿弥陀岳~14:30美濃戸口
前夜、諏訪湖SAで車中泊したが寒さはほとんど感じられなかった。
翌朝、美濃戸口に駐車すると「赤岳展望荘本日の予約承ります」と書いてあったので山頂到着が遅れたら上で一泊すればよいという甘い考えがあった。
美濃戸口~美濃戸までは道路が完全なアイスバーンになっていてまともに歩けないのでアイゼンを装着した。
まさか登山口からアイゼンを履くとは思わなかった。
途中で普通車タイプの4WD車がスタックして走行不能になっていたので車の後ろを押して手伝ったが徒労に終わった。ここで単独の登山者と挨拶を交わしたがその後彼とは何度も会うことになった。
美濃戸からは森林の中の長い山道となる。途中で一時的に視界が開け前方に赤岳を見上げることができた。
やっと行者小屋に着いたが地蔵尾根の標識がなく、登山口が分かりにくかったが良く見ると赤岳鉱泉のある標識から上に向かって一人分のトレースがあったのでここだなと思い上に向かうことにした。
最初はなだらかな斜面も徐々にきつくなって来て、雪がクラストしているのでキックステップが利かず足をハの字にして登っていった。
パイプ付きの階段を越え、さらに上に行くと雪がますます硬くなってピッケルのシャフトが雪に刺ささりにくなって来たのでピックを雪に刺して腹ばいになって登って行った。
滑ったら止まりそうにないのでピッケルとアイゼンを利かして一歩一歩慎重に登った。
その内にその不自然な体勢で登って行くのが辛くなって来て気持ちが折れそうになるがここからの撤退はさらに危険なので上に行くしか選択肢がないのが辛かった。
稜線に出る手前に怖そうな雪庇が出てきてさすがに足が止まったが偶然向かうから来たベテランさんが斜面のきつい時のトラバースの見本を見せてくれたので見よう見まねで何とか通過できた。

- 雪庇を通過して振り返ったところ
その後も気が抜けない登りが続きやっと13時半に赤岳展望小屋に到着。ここで宿泊予定だったが何と小屋は閉鎖されていた。ここまで頑張ればゆっくりできると思ったがガッカリである。
しかしここまで来て赤岳に登らないわけに行かないので気持ちを振る立たせて前進した。
やっとのことで赤岳に登ると山頂には若いカップルの登山者がいたので心強かった。

- 赤岳山頂
女性登山者(山ガール?)から可愛い笑顔をもらい気分がとても明るくなった。
山頂からは360度の大展望だった。少し霞んでいたが富士山もきれいに見れた
下山は文三郎尾根を下りたが急な下りは最初だけで地蔵尾根に比べると危険場所もなくぜんぜん楽な下りだった。
行者小屋まで下りると単独の登山者がテントを張っていた。ここから赤岳鉱泉に向かったが40分くらいで小屋に到着しここで泊まることにした。
金曜日なので宿泊者は10人足らずだった。夕食は霜降りのステーキが出て豪勢だった。
同じ部屋に居た東京から来た若者と話をすると彼も今日地蔵尾根を登ったというので地蔵尾根の先行者は彼だと分かった。
彼はこの尾根を登るのは3回目らしいが今日が一番怖いと言っていた。
翌日は行者小屋から直接阿弥陀岳に向かったが、ここは谷沿いに薄いトレースがあったのでそのトレースを辿った。
今日は雪が締まっていて登りやすいが上部に行くにつれ少しずつ斜度がきつくなるので慎重に登った。
このコースは新雪の時期や雪が柔らかくなった時期はラッセルが大変だと思われる。
やっと稜線近くまで上がり赤岳からの稜線を見ると雪庇が切り立っていて結構怖そうだった。一般的には赤岳からの稜線を辿るらしいがこちらから来て正解だったと思った。
後ろを振り向くと登山者がこの稜線を登ってこちらに向かっていたが大丈夫だろうかと心配だった。
ここから山頂まではさらに斜面が立っていてかなり緊張した。
山頂手前で休憩していると誰かが上がってきた。よく見ると何と赤岳鉱泉で話しをした若者だった。彼も阿弥陀岳に行くと言っていたが私より早く小屋を出たらしい。
嬉しい再会にお互い笑顔がこぼれた。
阿弥陀岳山頂は三角点もはっきりした標識もなく地味な山頂であるが展望は赤岳に負けず素晴らしかった。北アルプス・南アルプス・中央アルプスさらに富士山もきれいに見ることが出来た。
下山は御小屋尾根を下りた。下り初めは急な場所もあるが心配した危険な場所は全くなかった。
下り始めて間もなく後ろを振り向いてみると2人の登山者が崖になっている阿弥陀の南稜を下りようとしていた。ここはクライミングで登るルートらしいがこんな所を下りられるのだろうかと心配した。しかし崖のような下りをロープも使わずに下りようとしていたのでその後は怖くて後ろを振り返ることは出来なかった。
長い御小屋尾根を下り、最後の方で登山道が凍結していて少々驚いた。
その後舗装道路に入って油断していたら一部道路が凍っていたところで見事に転倒した。
幸い怪我はなかったが登山は最後まで気が抜けないですね。
宮指路