2013年3月9日(土)~10日(日) 奥美濃 薙刀山、野伏ケ岳 単独
3月9日 快晴
7:05 石徹白川左岸駐車地 → 8:10 和田山牧場跡 → 8:30~9:45 湿原テン泊地 → 10:25 推高谷 → 11:00 稜線鞍部 → 11:30~12:10 ゼンクボの平(1333P) → 12:35稜線鞍部 → 13:10~40 薙刀山 → 14:35 テン泊地
3月10日 曇り後雨、その後雪
6:10 テン泊地 → 6:35 野伏ケ岳北東尾根取付 → 8:00~10 野伏ケ岳 → 8:45~12:00 テン泊地 → 12:50 駐車地
3月9日
石徹白中居神社の駐車場はすでに満車。石徹白川まで下りて左岸の広場に車を停め出発。空を見上げれば雲一つない。いい日になりそうだ。
小白山谷にかかる橋を渡ったところの斜面の雪が繋がっていて早速林道をショートカット。その後もショートカットを繰り返して和田山牧場跡に到着。紺碧の空のもと何時もながらのすばらしいパノラマが出迎えてくれる。流石に奥美濃の上高地。
湿原の端にテン泊地を定めテントを設営。OSKのSGさんがかつてテントを張ったと聞いていたところだ。野伏ケ岳の眺めがいい。
アライテントのエアライズ。冬用外張りは1年以上前に購入してやっと日の目を見た。テントの固定にはOSKで教わった方法が役立つ。
広大な風景の中で一人用のテントはあまりにも小さく弱々しい。しかし今夜一晩の大切な相棒。頼りにしている。

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テントを張り終え何時ものルートで野伏ケ岳北東尾根の林道跡に出て終点から推高谷に下りる。谷は雪が詰まっていて問題なく歩ける。
二俣を右に取り左岸二つ目の尾根に取り付く。上部で左手の広い沢筋に出て詰めていくと予定通り鞍部近くの主稜線に直接出た。
今回の山行の大きな目的は二つ。一つは積雪期の単独テン泊。二つ目は薙刀山南西台地に広がるブナ林を訪れること(後で山日和さんに連絡したところ「ゼンクボの平」と教えてもらった)。主稜線鞍部から西に滑り降りればその目的地だ。
急斜面の下は思っていた通りのブナの森だった。たくさんの老木が青空に向かって枝を広げている。若木も多い。幼木が密生しているところもありあたかもブナのコミュニティといった様子だ。

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その中で一際目を引く大木が1333P手前の斜面に立っていた。太い幹は幾つもの筋が入り上部の枝振りもすばらしい。コミュニティの長老といったところか。

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1333Pは樹木が少なく振り返ればブナ林越しに野伏ケ岳。何時もとは違う方向からの姿を眺めながら休憩。休憩しているうちに今日は行くつもりがなかった薙刀山に登ろうという気になってきた。

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短めに休憩を切り上げ鞍部から稜線を進み薙刀山を目指す。稜線上にはスノーシューのトレースが一つ。稜線下の薙刀平にはトレースが見当たらない。山頂にも人影は認められない。人で賑わっている野伏ケ岳山頂とは対照的だ。
アップダウンを繰り返し山頂に近づいていく。最後の急斜面が少し狭く難しそうだったがそこもなんとか越えて山頂。白山から石徹白の峰々、奥越の山並みが一望の下だ。
東側の雪原を単独スキーヤーが登ってきた。何処からですかと聞くと日岸山まで行ってきたとの事。今日はそちらも楽しいだろう。
いろいろと話している内に和歌山から来られた事が分かった。和歌山というともしかして…
「和歌山というとOBAさんという方が…」
「OBAです」
わー!やっぱりご本人だった。すごい!感激!しかしこの辺りにくればOBAさんに会う確率は高いわけで昨年はよも太郎山の裾あたりですれ違っていた。その前には白馬大雪渓でお会いした事も。が、お話しするのは今回が初めて。石徹白近辺のルートの事やら板の事やらいろいろ役立つお話を聞かせていただいた。僕のブログを見ていただいているようでそれにも感激。励みになります。
滑降は嫌がれてもいいという気持ちでOBAさんの後を追っていった。すばらしい滑りでとてもついていけないかもって思ってたら斜面下で待っていただいていた。
OBAさんのルートは最初に薙刀を訪れた時にとったルートだった。でも推高谷からの尾根が急でそれ以来使った事がなかった。今回改めて滑ってみると思っていたよりいいルートだった。もちろんそれはOBAさんの細かいルート選びによるところが大きいのだろうが。
OBAさんとはテン泊地までいっしょに滑っていただき別れた。一休みしてから和歌山まで帰るそうだ。またどこかでお会いできたら嬉しい。
テントに帰ってからは長い休憩時間。外で本を読んだり近くを散歩したり。日差しが強くTシャツ1枚でも暑く感じる程だ。
この近辺では他にも幾つかテントが張られているようだ。夕方からは歓談の声が響いてきた。しかしそれも8時頃までで後は静かな夜となった。外に出てみれば満天の星空。この空が明日も続いてくれればいいが。
このテン泊では冬用外張りの他にも新しいアイテムを試した。「SOTO MUKAストーブ」。高所低温にはやはりガソリンがいいかと購入した。ガソリンストーブの割には取り扱いやすい。冬といわずこれからの良い友になりそうだ。
3月10日
5時に起きて外に出てみれば星空は消えていた。予報通り今日は崩れるようだ。その前に野伏ケ岳に登っておこうと早々にテントを出発。
北東尾根は二回滑り降りた事があるが登るのは初めて。滑った時の印象より急斜面が続く。
中腹部からは木立も少ない。早朝のため雪面も固めで滑落恐怖症の僕としては生きた心地がしない。何度も折れそうになる心を叱咤激励しながら登っていく。
振り返れば昨日登った薙刀山はじめ石徹白の山並みが曇天の下に横たわる。下を見ると続いているはずの斜面が隠れて見えないため意外な高度感があり足がすくむ。
そんな急斜面も終わりを迎えるとダイレクト尾根との出合。そこには大きなクラックが口を広げていて不気味だ。
山頂までの斜面は昨日のスキー痕やトレースで荒れている。ゴールが近づくと強い風が吹き付けてきてバランスを崩しそうになる。雨も少しパラつく。
山頂台地は踏み荒らされていた。そこそこの眺めがあるが西の空はいかにも荒れそうな色をしている。風も強いからさっさと退散する事にしよう。
なるべく早く下りたいので下降には正面ルンゼを選択。条件によっては雪崩の危険もあるし滑落の危険もあるが今の雪面の状態なら大丈夫だろう。
クラックを越えて一旦ダイレクト尾根にのりそこから正面ルンゼにドロップ。多くのスキー痕があり荒れているがそれらを避けて滑り降りていく。しかし昨日の高温の中でこんなに大勢滑り降りていたとは吃驚だ。雪崩の心配をしなかったのだろうか。

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少し下りるとスキーヤーがつくったデブリが沢芯を埋めている。そこを避けて右手側の山腹を滑った。しかし雪質が良くなく板が引っ掛かり一回こけた。その後はなんとか耐えて斜度が緩やかになってからはスキー痕の少ない右手の樹林帯の中へルートをとった。
うまく登り返しのないように滑り降りてテントに到着。その途端雨が本降りになった。テントの中に逃げて荷物を片付けながら様子を見る。止みそうにない。この状態ではテントを撤収する気にならないのでしばらく本を読んだりしてテントの中で過ごす。時折物音がするので外を見るとスキーヤーや登山者が下山していく。こんな天候でも登ってる人はいるんだ。すごいなあ。
11時過ぎると雨は雪に変わっていた。雪ならば撤収するのにあまり問題がない。気温がぐっと下がって寒さに震えながら撤収。下山にかかった。
下山は重い荷物を背負って林道をゆっくり滑り降りていく。昨日ショートカットした斜面は既に雪が切れていた。下山すると晴れるというのは何時もの事で駐車地に着くと青空が見えてきた。