2013年2月17日(日) 曇りのち晴れ 奥美濃 土蔵岳~猫ケ洞
山スキー 単独
7:00 八草トンネル西口駐車地 → 7:40 登谷尾根取付き → 9:25 P937 → 10:30~11:10 土蔵岳 → 12:15~14:05 猫ケ洞 → 14:45 土蔵岳 → 15:40 P937 → 17:00 駐車地
先週歩いた湧谷山~蕎麦粒山の雪の状態からこのあたりでもやっとそれらしい積雪になったようで今週はブナ林を気持ち良く滑降できる天狗山北東尾根に出掛けようと考えていた。そこへ「土蔵岳、猫ケ洞に行かないか」とのお誘い。しかしルートを聞けばどうもスキー向きと思えず断った。とはいえ土蔵~猫ケ洞という組み合わせには興味がわく。土蔵岳と猫ケ洞はつなげたいと思いつつもできないままに終わっている。
地形図を見れば八草トンネルの西側、土倉谷と登谷に挟まれた尾根がいかにもスキー向きの尾根に見える。調べてみると数年前にちゃたろうさん達が歩いた尾根だった。この時は偶然にも土蔵岳山頂でお二人にお会いしている。この後にもお二人には御嶽でお会いしその時に富士山のお話を伺った事が昨年の富士山滑降に繋がった。
ちゃたろうさんのレポを読んで気持ちは固まった。スキーの準備をして揖斐川町坂内へ向かう。横山ダムを越えた辺りから所々路面に積雪があったが特に問題はなく八草トンネルに到着。
八草トンネルの西口脇にある広場に車を停め雪のため通行止めになっている林道をシールで歩き始める。天気は上々のようだ。
林道には先週のものなのだろうか、スキーのトレースが一本残っている。それを追うように進んで登谷を渡る。谷の右岸についている林道を進み適当な斜面を登り始めたが地形図で確認すると上部で難しそうな感じだ。もう一つ下の尾根の方が良さそうに見えそちらに切り替えた。しかしこちらは取付きが急斜面でスキーを背負って一登りする事になった。
尾根が幾分緩やかになったところで再びシール歩行。雪はしっかりあるもののブッシュが邪魔をする。主尾根に出てからもしばらくはブッシュが気になる。
やや痩せ気味の尾根から急登して桧のなかなか立派な植林に入る。所々に目印がしてあるところを見ると時折はこのルートを歩く人もいるようだ。
植林を抜けて自然林の広々とした斜面に出る。積雪状態によっては上質の滑りが期待できそうだが今日はちょっと雪量が少ないようだ。
登り調子が続く尾根は最後に広々とした台地に出る。ブナ混じりの雑木林が広がりここで大休止しても楽しそうだ。
台地の最頂点がP937。北方に目指す猫ケ洞がのぞめる。ここからはギャップに向かって高低差80mほどを段階的に下っていく。
緩やかな斜面は背の高いブナ林に覆われていて心がなごむ。左右に視線を奪われながら下って最低部に達するとそこからは急斜面の登り返し。その急斜面にもブナが林立している。

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登りきったところからアップダウンを幾つかこなして八草トンネル東側からあがってくる尾根と出合う。不図前方を見ると単独のスキーヤー。八草トンネル手前で準備しているのを見かけたスキーヤーだ。
土蔵岳への最後の急斜面を登りきりいよいよ雪庇越え。左右は強烈な高さの雪庇が連なっている。唯一斜面の左手に乗り越え可能なところを見つけ先行していた方より先に稜線上に出る。右手にわずかで山頂。雪が少ないと嘆いていた今シーズンだが土蔵岳の古い山名板は手の届くところにあった。そこそこの積雪があると言う事だ。南に美しい金糞岳の姿が見える。

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あとから辿り着いたスキーヤーと少し話をする。大津から見えているそうだ。何時もは伊吹で楽しんでいるのだそうだが今年は雪が少なく雪のあるここに来たのだとか。下りは上原谷を滑りたいらしい。登山者がいなかったか尋ねると下から声はしたとの事。恐らく誘ってくれた方のパーティだ。
どうせならみなさんに会いたいとしばらく登ってくるのを待ってみたが声はすれど姿は見えずの状態が続く。それにもし登ってきたとしても時間的にここで今日の行動は停止する可能性がある。せっかく猫ケ洞まで登れる条件が整っているのにこれを逃すのは惜しい。意を決して単独で猫ケ洞に向かう事にした。
シールを剥いで鞍部に向かって下っていく。雪がパック気味でやや難しい滑りとなった。
一滑りするとこんもりとしたコブが前方に立ち塞がる。シール歩行に切り替えて慎重にここを越えていく。木立がないので何かの拍子に転倒して滑落しだしたら止まらないだろう。
コブを越えてからは徐々に尾根が広くなっていく。ブナの樹間を縫うようにして緩やかな斜面を登っていく。薄日がつくる樹影が雪面に美しい模様を描き出している。好きな冬景色の一つだ。
ブナ斜面を登りきり一旦痩せ尾根を渡って最後の急斜面に取り付く。稜線は土蔵岳と同じく高さのある雪庇が連なる。簡単に登れそうなところは見つけられず雪庇の一部をスコップで崩して通路をつくった。
わずかに右に進んだ雪庇の高みが山頂だった。曇っていた空は何時しか紺碧になり最高の登頂となった。ただしここから見える山並みは少ない。先週登頂した蕎麦粒山、湧谷山、天狗山、小津権現、花房山。西には横山岳、そして琵琶湖。顔ぶれは少ないがそれでも十分。念願の冬期登頂を果たせた事で満腹だ。

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30分程休憩してそろそろ下ろうかと荷物をしまい終えた時に稜線下の斜面をあがってくるパーティの声。「お~い」と声を掛けると「お~い」の返事。しばらく待っているとセキガハラNさんを先頭にSさん、クライマーさん、GTさん、IBさんが稜線上に元気な姿を見せた。会えないかもしれないと思っていただけに感激だ。山頂で出迎えてみんなで万歳三唱。稜線の下で鍋をするというのでご一緒させてもらった。こんなことなら腹に物を入れるんじゃなかった。
ラッセルが思いの外大変だったそうだ。そこをほぼセキガハラNさんが先頭で来たらしい。すばらしい気力と体力だ。特にここの所は黒津山、湧谷山、蕎麦粒山の単独登頂を続けられておりもはや骨折のリハビリ登山の域を遥かに凌駕している。
おいしい鍋をいただいた後はいよいよ滑降開始。猫ケ洞下のブナ林は雪質も斜度も程よく気持ちのいいツリーランが楽しめた。

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土蔵岳下の急斜面も雪質は良かったが距離が短い。その後はシール無しの軽い登り返しが2、3ありそれが結構きく。ギャップへの急斜面は雪質が良くなく難しい滑りとなった。そこからはシールで登り返して最頂点から再び滑降。しばらくは台地状の雑木林を気持ち良く滑り抜けていく。
スキー向きに思えた斜面はブッシュと重くなった雪に四苦八苦。爽快に滑り降りる事はできなかった。ただ桧の植林帯は日差しがなかったためかまだ良質の雪で気持ちよく滑り抜ける事ができた。